7月のトロントの本屋さん 今月のテーマ「開放感」
今月のトロントの本屋さんもバンクーバーから岩崎ゆかりがお送り致します。
私の居住するBC州では5月末より店内飲食が再開となり、本屋のあるON州でも6月11日より店内での買い物が可能となりました。再び規制されることなく、正常化に歩を進めてくれれば嬉しいですね。
今月のテーマは経済の再開と規制緩和に伴う「開放感」です!
一年以上にも及ぶ自粛生活をしていますが、コロナ前の生活って、どんな感じだったでしょうか?住野よる著『麦本三歩の好きなもの』(幻冬舎)を読んで、日常の感覚を思い出してみましょう。大学図書館勤務の三歩は、本とお菓子が大好きで、職場の先輩に変なあだ名を付けちゃうし、話すときに噛んじゃう女の子です。毎日、楽しい方が良いけれど、失敗しちゃう日や、落ち込む日だってあります。少し天然気味な彼女の日常が語られる12編です。
マスクを付けてプレキシグラス越しだと、お互い聴き取りづらく、会話も億劫になり、言葉少なになるのも仕方がありません。スモールバブル内での生活では、気心の知れた人との付き合いしか出来ませんでした。緩和と共にご無沙汰していた方や初めましての方との交流も徐々に増えていきそうですよね。日本で爆発的に売れているのが、五百田達成著『超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。これでおしゃべりのハードルを乗り越えましょう!本著は雑談の基本ルール、初対面編、知人/飲み会編、職場/ビジネス編の4章立てとなっています。答えにくい質問への上手なかわし方、エレベーターでは沈黙を守るのか話かけるのか…等々すぐに実践できる36の雑談ルールを紹介しています。
次に紹介するのがこちら漫画、磯見仁月著『傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン』既刊4巻(新潮社)。18世紀フランス革命の前、田舎町で髪結いと仕立てを生業としていた女性・ベルタンはより高みを目指してパリへと向かいます。新参者の洗礼を受けつつも着実に自分の腕でモードの最高峰へと登っていくさまは、すがすがしく新しい世界への期待に溢れています。1年半、コロナ冬眠していた我々も目を覚まして高みに向かって登っていけるかも、です。
おうちご飯の間は時短、手抜きに少ない材料でもできる一人飯といった内向き料理に終始していました。規制緩和が進むにつれ、そろそろ家に友達を呼びたいと思い始めていませんか?そんな方におススメなのが、料理研究家栗原はるみの haru_mi (ハルミ) 2021年07月号(扶桑社)です。7月号はイタリアン特集です。夏の太陽をたっぷり浴びながら大皿で取り分け易いレシピで皆さんでワイワイ出来たら嬉しいですよね。レシピももちろんですが、彼女のすっきりと爽やかな人柄が現れる素敵な盛り付け、インテリアや暮らしに憧れますよね。ウチに向いていた生活をソトに開放していきましょう!
それでは次号でお会いしましょう。
トロントにある日本の本屋さん Blue Tree Books
Blue Tree Books(J-town内)では、日本の本や雑誌を販売しております。話題の本はもちろんのこと、英語・その他言語のテキスト等も取り扱っています。店頭にない商品も、もちろん日本から取り寄せいたします。是非気軽にお越しください。3160 Steeles Ave E, Toronto(J-Town内)
905-415-0611
info@bluetreebooks.com
https://bluetreebooks.com/