9月のトロントの本屋さん 今月のテーマ「映画」
こんにちは!今月のトロントの本屋さんはバンクーバーから岩崎ゆかりがお送り致します。
ウィズコロナの今、動画配信サービスを利用されている方が多いのではないでしょうか?今月のTorjaのテーマの「映画」も配信で楽しめる時代となりました。
最初に紹介するのが、原田マハ著『キネマの神様』(文藝春秋)です。松竹映画100周年記念作品として2021年に沢田研二主演で公開予定(当初2020年12月予定でした)の映画の原作本です。「39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌『映友』に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることになった。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。」作中には実際の映画作品の感想をブログ記事形式で数多く紹介しています。洋画から邦画、往年の名作から新しい作品も出てきます。見たことある!と映画のストーリーを思い出しながら、もちろん売れっ子著者の紡ぐ物語に酔いしれてみてはいかがでしょうか?
チャップリンの無声映画に始まった洋画の歴史は知っているものの、日本の歴史には疎い方にピッタリなタイトルがこちら、四方田犬彦著『日本映画史110年』(集英社新書)です。「日本映画の歴史を概観した2000年刊行『日本映画史100年』の増補改訂版でチャンバラ映画から黒澤映画、宮崎アニメや最新の映画事情に至るまで、日本映画の全てが分かる決定版」です。
漫画原作が実写化されると、原作キャラのイメージと演者のギャップや世界観、数十巻に渡る内容を2時間の映画枠に収められるのか、がいつもマイナス要素として話題になります。ですが、西森博之著『今日から俺は!!』単行本全38巻(小学館)は、それを吹き飛ばす痛快さ請け合いです!「『この転校をキッカケに俺は・・・』今までさえなかった三橋は目立ちたい一心で金髪パーマでツッパリデビュー!そんな三橋の前にもう一人の転校生、トンガリ頭にマスクでキメた伊藤が現れて…。金髪とトンガリ頭の最強ツッパリコンビが繰り広げる青春不良コメディ!」です。
最後に紹介するのが、1967年に発行された筒井康隆著『時をかける少女』(角川文庫)「放課後の誰もいない理科実験室でガラスの割れる音がした。壊れた試験管の液体からただようあまい香り。このにおいをわたしは知っている―そう感じたとき、芳山和子は不意に意識を失い床にたおれてしまった。そして目を覚ました和子の周囲では、時間と記憶をめぐる奇妙な事件が次々に起こり始めた。」どの世代の方も映画、ドラマ、アニメを通じて触れたことのある作品ではないでしょうか?ユーミン作詞・作曲の1983年映画の主題歌も是非聴いてみてください。
それでは、また次号でお会いしましょう。
トロントにある日本の本屋さん
Blue Tree Books
Blue Tree Books(J-town内)では、日本の本や雑誌を販売しております。話題の本はもちろんのこと、英語・その他言語のテキスト等も取り扱っています。店頭にない商品も、もちろん日本から取り寄せいたします。是非気軽にお越しください。
www.bluetreebooks.com 3160 Steeles Ave. E(J-town内)