10月のトロントの本屋さん 今月のテーマ「日常」
こんにちは!今月のトロントの本屋さんもバンクーバーから岩崎ゆかりがお送り致します。
去年の今頃はどうお過ごしでしたか?新学期が始まったと思えば、ハロウィンがあってクリスマスの準備と大忙しだったかもしれません。今年は既に半年以上、ウイズコロナ生活が続いています。そんな異例の年だからこそ、「秋の夜長に読書三昧」といういつもと違った落ち着いた時を過ごすのもありかもしれません。さて、今月のテーマは「日常」です。コロナでなかなか変化が乏しい日常を面白く過ごしてみるヒントを探してみましょう。
最初に紹介するのが、ブレディみかこ著「ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」(新潮社)。2019年ノンフィクション本屋大賞を受賞し、話題沸騰だったので既にお読みになった方もいらっしゃるかもしれません。
優等生の「ぼく」が通うイギリスの元・底辺中学は、毎日が事件の連続。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子と著者でパンクなおかあさんが共に考え悩み乗り越えていく物語は等身大ノンフィクションです。学校に通うお子さんをお持ちの方のみならず海外在住ならではのテーマで共感必至です!
この本が上梓されたのはコロナ前、「ぼく」は今どんな学校生活を送っているのでしょうか。マスクを付けられる子と買えない子で分断が起きていないことを祈ります。
TVドラマ化が決定し10月から放送されるのが、おおのこうすけ著「極主夫道」(新潮社)既刊5巻、です。「裏社会に数々の伝説を残した最凶ヤクザ、不死身の龍。そんな彼がヤクザから足を洗い選んだ道は──専業主夫だった!大人気アットホーム任侠コメディ」です!!
スーパーにカチコミ(殴り込み)、白い粉でタピオカ作り。家事能力は抜群、チラシチェック、ポイント集め、節約にご近所付き合いも上手く殺ってます(?)。愛妻、美久のため、限定グッズをゲットするためにおもちゃ屋で列にも並んでくれる。生活の何気ない一コマをヤクザ語に置き換えてみると落とし前がつくかも…。
最後に紹介するのが、星野源著「そして生活はつづく」(文春文庫)。シンガーソングライター、音楽家、歌手、俳優、文筆家として活躍する彼の初めてのエッセイ集です。文芸PR誌「ウフ.」で2009年1月号から5月号までの連載が収録されています。
「携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り、何があっても生活はつづいていく。つきまとう劣等感と虚無感、腹痛にも立ち向かい、そんな素晴らしくない日常のつまらない生活を面白がろう」!
なにげない日常の感情の動きを呟いて、それが面白いってすごいです。そんな源さんの魅力たっぷりのこちら、トイレか旅のお供に如何でしょうか?(帯抜粋)
次号でまたお会いしましょう!
トロントにある日本の本屋さん Blue Tree Books
Blue Tree Books(J-town内)では、日本の本や雑誌を販売しております。話題の本はもちろんのこと、英語・その他言語のテキスト等も取り扱っています。店頭にない商品も、もちろん日本から取り寄せいたします。是非気軽にお越しください。3160 Steeles Ave E, Toronto(J-Town内)
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