9月のトロントの本屋さん 今月のテーマ「トロント国際映画祭と東京オリンピック」
今月のトロントの本屋さんもバンクーバーから岩崎ゆかりがお送り致します。今月の本誌の特集は「トロント国際映画祭と東京オリンピック」の2本立てということで本の紹介には難しいお題ですね。
約ネバ、ハイキュー、鬼滅の刃に進撃の巨人と、推し漫画が完結する中、最近の鉄板ともいえるテレビアニメ化、実写映画化と舞台化で、今年のゴン攻め(注)作品がコチラ。和久井健著『東京卍リベンジャーズ』既刊23巻(講談社)です。2017年、26歳のフリーター生活を送るタケミチは中学時代の彼女だったヒナタと弟のナオトが暴走族東京卍會の抗争に巻き込まれ死亡したことを知る。翌日、電車のホームに突き落とされたタケミチは12年前の2005年にタイムリープしていた。ヒナタの死を防ぐために未来を変えようと奮闘する、「ヤンキー」×「SF」 ×「アクション」が詰まった胸アツな物語です。
(注)(ごんぜめ)東京2020オリンピックで新種目となったスケートボード競技・ストリートで、解説を務めたプロスケートボードの瀬尻稜選手による言葉。意味は「ガンガン攻めてること」(出典:numan.tokyo)
映画化が続く塩田武士著『デルタの羊』(KADOKAWA)はアニメプロデューサーの渡瀬智哉が、小説のテレビアニメ化を熱望し原作者を口説き、数々の困難に見舞われながら放映までを綴った物語です。アニメ化になると構成される製作委員会とは何か、アニメ業界の全てを氏の緻密な取材に基づくノンフィクション感を楽しめる作品となっています。
新型コロナウイルスの影響で無観客開催となった東京オリンピックですが、トライアスロン男子やスポーツクライミングの競技中継の際に映るガンダムに心躍った方も多かったはず。
『カーサ ブルータス』2021年9月号(マガジンハウス)にて連載中の「櫻井翔のケンチクを学ぶ旅。」では、新国立競技場を中心とする場所に建築家やアーティストが手がけた9つの建物とオブジェが設置されたイベント、「パビリオン・トウキョウ2021」を櫻井氏が訪れています。9月5日の会期が終わるとパビリオンは解体されてしまうそうです。実際に見ることは叶いませんが、SNSで「パビリオン トウキョウ」と検索してみてはいかがでしょうか?
男女混合種目が増え、トランスジェンダーの選手の出場と多様性が着目された大会だったようです。無知で誰かを傷つけてしまう前にパレットトーク著『マンガでわかるLGBTQ+』(講談社)を読んでジェンダーについての理解を深めませんか?タイトルと同じアカウントのTwitter投稿が本となったこちらは、LGBTQ+の疑問に答える入門書となっています。日常生活の不都合からハラスメント、お互いが気持ちよく過ごせる環境づくりなどを22のマンガを通して学べるようになっています。SNSアカウントでは、不便を解決してくれる化粧品や下着などの紹介や、心のモヤモヤの解消を助ける投稿となっています。
では、次号でお会いしましょう。
トロントにある日本の本屋さん Blue Tree Books
Blue Tree Books(J-town内)では、日本の本や雑誌を販売しております。話題の本はもちろんのこと、英語・その他言語のテキスト等も取り扱っています。店頭にない商品も、もちろん日本から取り寄せいたします。是非気軽にお越しください。3160 Steeles Ave E, Toronto(J-Town内)
905-415-0611
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