わたしにとって英語とは「世界規模で生きるためのパスポート」カナダ就活アドバイザー 渡辺 京さん カナダ滞在歴:のべ2年|英語とわたしとカナダ
渡辺 京さん
カナダ滞在歴:のべ2年
職業:カナダ就活アドバイザー
日本の大学在学中にカナダ・マクマスター大学に9カ月間交換留学。2023年に永住権を取得してトロントに移住し、証券会社のオペレーションズアシスタントとして活躍しながら、日本人向けの就職活動支援サービス「Miyaco Career」や日本人起業家コミュニティー「Miyaco Connect」の運営を行う。月に2回納豆を作る。
英語とともに歩んできた人生
英語を好きになったこれといったきっかけはなく、気がつけば小学3年生の頃には「英語を勉強したい!」と思っていました。これは間違いなく、高校で英語の先生をしている父の影響です。父は英語が大好きで、よく家で英語のフレーズをつぶやいたり、その面白さを語ったりしていたので、私も自然と英語に興味を持つようになりました。
当時の小学校には英語の授業がなかったため、私は父からもらった日英辞書をパラパラと眺めたり、好きな漫画のタイトルを英訳してみたりして“遊んで”いました。英語は私にとってまさに「友達」のような存在でした。
中学生になり学校の授業に英語が加わった途端、それまで「友達」だった英語は、志望校合格のための一つの「科目」になりましたが、英語を好きな気持ちは変わりませんでした。
受験が終わり大学で英語を専攻してからは、英語は「世界規模で生きるためのパスポート」になりました。カナダの大学に留学して勉強したり、TORJAインターンとして現地企業に取材をしたり、日本で就職した会社ではタイ事業展開に関わったり、カナダに移住して新たなキャリアを築いたり…。英語はいつも私の生きる選択肢を広げてくれます。
私の英語学習方法「好きなことと英語を掛け合わす」
英語学習において大切なのは「継続」ですが、自分が楽しいと思えなければ続きません。そこで私は、好きなことと英語を掛け合わせて、楽しみながら英語に触れることを習慣にしてきました。
例えば大学時代には、アメリカのYouTuberのメイクアップ動画やVlogを毎日観ていました。興味のある内容だったので英語を勉強しているという感覚はなく、苦労せず続けることができました。その結果、ネイティブの表現やリズムが自然に身についたと感じています。
最近では、夫とその日にあったことをひたすら英語で共有しています。これも勉強のためではなく、楽しいからやっていることです。「会社帰りに地下鉄が急に止まったけど、シャトルバスがめちゃくちゃ混んでたから歩いた」とか、「さっきスーパーに行ったけど大豆がなかったから納豆が作れない」といった他愛もない話ですが、自然とスピーキングや長文作成の練習になっています。
また、「これ英語で何っていうんだっけ?」とか「今夫が言ったフレーズ、何だ?」という場面にあうと、会話を成立させるためにその都度調べているので、自然と語彙力の向上につながっています。
英語学習の難しさ「フレーズがその状況でどんな風に伝わるのかは、自分一人の勉強では分からない」
意味は通っていても、その状況で思い通りのニュアンスで伝わらないことがあることです。例えばルームメイトが忙しそうだったので、「あまり無理しないでね」と伝えたくて「Don’t work too hard.」と言ったところ、なんと鼻で笑われました。当時はなぜ笑われたのかさっぱり分かりませんでしたが、今思えば「仕事しすぎるなよ」というふうに少し上から目線に聞こえてしまったのかも?
実際に使ってみてネイティブの反応を観察したり、誰かが使っているのを聞いてニュアンスを推測することをとにかく繰り返して初めて身に着くものなんだなと実感しました。
ーカナダ生活の中での英語にまつわる笑い話
デート相手が告白してくれたとき、英語が理解できず、「I’m sorry?」と聞き返してしまいました。最低ですね笑。彼は「I have feelings for you.」と言ったのですが、have feelings for~というフレーズが「~のことが好き」という意味になるのを知らなかったんです。彼には本当に申し訳なく思いましたが、今ではその彼と夫婦になっているのでハッピーエンドです。
また留学中は先生の英語を半分ほどしか聞き取れず、授業についていくのがいっぱいいっぱいでした。先生の説明が理解できない分、自習時間にテキストを読みこむことでカバーしていました。しかしテキストのない授業では完全にお手上げ状態だったので、履修を取り下げたこともありました。授業中に涙が止まらなくなったことも、今となってはいい思い出です。
ーカナダ生活と英語
初日はレストランで注文するだけでもドキドキしていたのに、今では日本人向けに英文履歴書作成や英語面接対策のサポートを行うまでになりました。採用担当者の視点から、「履歴書のこの表現、別のフレーズに変えたほうが説得力が高まるな」とか、「この方の強みを面接で最大限アピールするなら、こういうふうに伝えたほうがいいな」という判断ができるようになりました。その結果、多くの方から「採用担当者に履歴書を褒められた!」「第一志望の面接に受かった!」という声をいただいています。英語を学んで本当によかったと思う瞬間です。
ー英語に関する今後の目標
私は現在、カナダで日本人の就職活動や日本人ビジネスの支援をしているので、英語を使って現地の方々に日本や日本人ビジネスの魅力を伝える活動をしていきます。英語とは一生のお付き合いになるんだろうなと思いますが、私にとっての英語がずっと「世界規模で生きるためのパスポート」のままなのか、それともまた別の関係になるのか、楽しみにしています。
【一問一答】
- カナダに来た際のご自身の英語力
TOEIC730点。スピーキング力は英語でプレゼンができる程度で、とっさの会話は苦手でした。 - オススメの学習ツール
・YouTubeで自分の興味のあるジャンルの動画を英語で観る
・AtsueigoのDistinctionシリーズ(生の英会話によく出てくる単語帳)