銀杏・木村オーナーシェフのカナダストーリー Vol.8 Ginko Japanese Restaurant、そのこだわり
レストラン事業に自信を見出した木村さんが、ようやくソロオーナーとして開店させたGinko Japanese Restaurant。当時はパートナーとともに取り組んでいた『笹屋』、並行して事業を行っていた庭師、さらにカナダに来た大きなきっかけでもある剣道道場も新たな門出を迎え、ほぼ帰宅もままならない状況だったそうだ。それでも多くの人々に恵まれながらオープンさせた木村さんの初めてのお店、今回は細かなこだわりを見せる当時の店内、そしてメニューにフォーカスを当てていく。
Vol.8 Ginko Japanese Restaurant、そのこだわり
1984年にその門を開いた日本食レストランだったが、その当時日本食の知名度はまだまだ普及していなかったそう。そこで、日本人にとっては一般的である天婦羅、焼き鳥、うどん、そしてもちろん日本食が有名ではなかった当時でも人気だった寿司、そんな日本の代表的な料理を提供できる店にしたかったのだという。
「まだ当時は日本食が珍しかったのでしょうね、開店当時から行列が出来ていました。ランチでもディナーでも身軽に(日本食を)食べられるようにしたかったのです。」と木村さんは当時を振り返ってくれた。
オープン間もない頃から人気を博した当時のGinkoの規模は、約70席で寿司バー、テーブル席、畳席をバランス良く取り入れていた。その内装は武家屋敷をイメージしたそうだ。その畳や瓦を日本から取り寄せるなど、こだわりをみせていた。
「結局瓦は構造上重さに耐えられなくて使えなかったのですが、それでもとても綺麗な店ができました。」と木村さんは笑いながら話してくれた。
もちろん、こだわりはそこだけでは終わらない。日本食、とくに寿司は鮮度が命だ。生鮮市場に行き、鮮度の良いものを仕入れ、仕込みも重視し、職人は日本やバンクーバーからとたくさんの場所から呼び寄せたそうだ。
そんな木村オーナーシェフのこだわりが随時輝きを見せていたGinko Japanese Restaurant、次回はその当時の様子について紹介していきたい。