銀杏・木村オーナーシェフのカナダストーリー Vol.11 留学生のサポート
カナダに移民をして40年以上になる木村オーナーシェフのカナダストーリーを弊社では長く紹介してきた。そんな木村さんは、ワーキングホリデーでカナダに訪れた人々を支えてきた貢献人の一人だ。今回はカナダストーリーの番外編として、カナダでワーキングホリデーの受け入れを始めた当時のお話を木村さんから伺った。
Vol. 11 留学生のサポート
1986年、日加国交の間でワーキングホリデー制度の協定が結ばれた。そのほぼ同時期に、木村さんはミシサガに『楓』をオープンし、日本の留学生をレストランに多く受け入れ始めたのだそうだ。
「私たちもとても良い制度だと思い、ワーキングホリデーで来る日本人の学生さんを受け入れていました。私たちは日本にいる若者とほとんど知り合う機会がありません。ですので、地元のシェフや働いている人たちが、日本から来たワーホリの人たちと触れ合える機会でした。新しく来てくれる人と関われて楽しい、店自体がそんな雰囲気になっていたと思います。」と木村さんは語った。
その当時でも、英語を取り扱った職種につくことは日本人にとって非常に難しかったそうだ。その状況の中、ワーキングホリデーでカナダに訪れ、学んだ英語を使って何かしたい、という思いを抱いていた留学生にとっては木村さんの経営する日本食レストランは、うってつけだったのではないかと木村さんは推測されていた。
もちろん、良いことばかりではなかった。木村さんたちが求めるものと、ワーキングホリデーで来る人たちの感覚には誤差があったそうだ。ワーキングホリデーでカナダに訪れる人々は、学生が多く、遊びに来る延長戦で働いていたので、いわゆる戦力になるのは少し難しく感じたようだ。
「それでも、やっぱり日本人の方が来てくれるのは我々にとっても有り難かったです。日本の感覚を分かってくれているので、すごくコミュニケーションも取りやすいですし、日本食の説明も出来たので、とても良かったですね。」と笑顔で木村さんは話してくれた。
留学生の能力によっては、移民申請のスポンサーになることも多くあったそうだ。その身一つでカナダに渡航し、レストランを経営されていた木村さんは留学生にとっては一つの目標となったのではないだろうか。