Glass Half Full #5 花

カタコト英語・アジア人・期限付きビザ。そこから私は何も出来ない役立たずだと思われたのでしょうか。どんなに勉学でカナダ人より勝ろうとも、彼らよりどんなに経験、知識が豊富でも、与えられる仕事は決まって、長時間肉体労働を強いられるものか、誰もやりたがらない手を汚す仕事でした。怠け者の彼らが昇給・昇進していくなか、私はいつまでも最低賃金もしくはそれ以下で働き続け、馬鹿にされながらも立ち上がり続ける姿は、まるで刈っても生え続ける雑草のようでした。
そんなアジア人の立場が低いBarrieで過ごした学生時代。LITTLE ASIAN GIRLのラベルを張られ、子ども扱いされ続けてきた私は、いつか彼らをあっと言わせてやると野心を燃やし、成功を求め、卒業後トロントへ移り住みました。12月号でも記載したのですが、たくさんの人種差別を乗り越えて来たので、多国籍文化であるトロントではきっとうまくやっていけると思っていました。願っていました。
新人・マネージャー・年下。そこから生意気と思われたのでしょうか。某日本食レストランで働いていたのですが、どんなに懸命に働いても、どんなに彼女たちの言うことを聞いても、日本人マネージャーの方をはじめ、ワーキングホリデーの“お姉様”方から途方のないいじめを受けました。目障りだ。存在がウザい。すれ違う度にわざと肩をぶつけてきたり、聞こえるようにわざと大声で私の“コードネーム”を使って悪口で盛り上がる彼女達。終いには靴がなくなったりもしました。それでもせっかく異国で出逢えた同じ国から来た彼女達に嫌われたくなくて、私はひたすら理不尽ないじめに耐えていました。そんな私を見て「しぶとい雑草みたいやな」と鼻で笑った彼女たちの顔は今でも忘れられません。
可能性に満ち溢れた若者の尊厳の放棄。年功序列・縦社会が重視される私たちの文化は、国境を越えたここカナダでも存在します。年齢・階級に関係なく、一人ひとりの尊厳に敬意を払うべきだと私は強く信じます。
どうやら雑草はどこに行っても無差別に摘まれてしまう運命のようです。しかし忘れてはいけないことは、どんなに可憐なブロンドヘアーの花達よりも、一輪では主張ができない花束達よりも、雑草は、誰にも刈られることが出来ない、図太く強い根っこを持っているということです。泥まみれになろうが、どんなに長い悪天候に見舞われようが、雑草はいつか誰も予想しない名の無き花を咲かします。
Nana Akimoto
– Teashop 168 Annex店 オーナー兼店長・モデル
1987年横浜生まれ。2007年にカナダへ留学。Georgian College卒業後、某スポーツバーや日本食レストラン等でマネージャーを勤める一方、モデルとしてカナダの新聞や雑誌をはじめ、シンガポールとベネズエラの大手出版社との撮影もこなす等、国際的に活躍もしている。2013年初夏にはバブルティーフランチャイズチェーンで知られるTeashop168 のAnnex店を展開し、今現在オーナー兼店長を勤めている。将来自分のレストランを開けることが夢である。











