Immigration Levels Plan 2026-2028|カナダで永住権!トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報
2026年から2028年版Immigration Levels Plan
今年も例年と同じく11月初旬にカナダ移民局(IRCC)より2026年から2028年度のImmigration Levels Planが発表されました。これは「今後の1〜3年間に受け入れる移民や短期ビザ保持者の人数と内訳」を示した公式なプランです。この数字を公に発表することで、地域や経済に合わせた移民の受け入れを、カナダ連邦政府が政略的に進めていることを示しています。ただ、このプランはほぼ数字のみの発表であるため、それらの数字の裏に隠された【今後の政府の移民政略】について読み取るのは大変困難です。従って今月号は、今回の発表の中で興味深いと感じたトピックについて解説致します。
受け入れ人数が増加したカテゴリー
PNP(州推薦プログラム)
最も注目すべき変化の一つは、州指名プログラム(PNP)の大幅な拡大です。2026年には、PNPを通じて91,500人の永住者を受け入れる予定で、これは以前の目標である55,000人から66%増となります。この変更は、各州が地域の労働力不足を補い、地域の経済を支える移民を選ぶ権利を更に強くすることを政府が意図しているとお考え下さい。この大幅な拡大に対応するため、ほぼすべての他の移民カテゴリーの受け入れ人数が減少しました。
受け入れ人数が減少したカテゴリー
- Express Entryの受入人数は、2026年に122,830人から109,000人に減少します。新しい計画を見る限り、CECやターゲットに絞った選考を区別して示しておらず、むしろExpress Entryで一つの数字として割り当てられています。
- 人道的(H&C)カテゴリーは急激に減少し、1,100枠となります。
- 投資家および起業家向けのPR申請のカテゴリーである、Federal Business Programsは半分に削減され、500枠となります。
- 両親、祖父母呼び寄せプログラムは21,500人から15,000人に減少し、更に競争が激しくなることが予想されています。
- Quebec州以外でのフランス語話者移民の受け入れについては、長年連邦政府はその重要性を強調してきました。それにも関わらず、来年より受け入れ人数がわずかに引き下げられています。これは、連邦政府がより慎重な姿勢に移行しつつある、ということが示唆されています。
一時外国人労働者
2026年の一時外国人労働者プログラム(TFWP)の労働者受け入れ人数は、82,000人から60,000人に削減されると発表されました。この減少が意味するのは、LMIAの申請基準が更に厳しくなるということです。マーク・カーニー首相は、TFWPをより戦略的に変更する必要があると強調しています。単に幅広く労働者を受け入れるのではなく、特定の産業や地域に重点を置くべきだと述べています。
また、2027年までに一時労働者を含む非永住者の割合をカナダの人口の5%未満に抑えることを目指しているとも公言しています。これらの政策は、飲食業、介護、製造業、農業など、一時外国人労働者に依存している職種では、大打撃を受けるであろうと言われています。
Skilled Worker向け一時救済PRプログラム
今回の発表において、一つの光が見えたという方もいるかもしれません。それはIRCCが「2026年から2027年にかけて、最大33,000人の一時外国人労働者を、特別なプロセスを通じてPR申請の道へと導く計画(2026年度と2027年度、合計2回を予定)を発表したことにあります。
このプログラムの申請条件に関する詳細は(2025年11月21日時点では)公表されていませんが、IRCCは次の条件を満たす人々がこのプログラムにてPR申請することが可能になるであろうと示唆しています。
- 地域の社会しっかりと腰を据えている人
- カナダにおいて税金を納め、安定して国に貢献している人
- カナダ経済の成長に不可欠な分野の職種で働いている人
この発表を見て、2021年のTR-to-PR(留学生・一時外国人労働者向けの一時救済PRプログラム)を思い出した方もいらっしゃるかと思います。これは受付開始数時間で応募数に達したプログラムでした。恐らくカナダで現在就労されている方は、この発表について1番興味を持ってチェックすべきと考えています。
移民弁護士・政府公認移民コンサルタント業界でもこのプログラムについて議論が交わされており、沢山の意見が飛び交っています。例えば「このプログラムはExpress Entryに紐付くだろう」「Express EntryのProfileに入力するPostal Codeを元に申請受け入れ地域を特定するのではないか」等です。Rural areaと発表内容に記述があることからも、カナダで就労されている全ての一時外国人労働者が申請できるのではないことが汲み取れます。
まとめ
このImmigration Levels Planを理解することで、今後3年間の移民・ビザの動向が垣間見えるかと思います。個人移民申請は難しい状況が続くと考えられますが、日本人でも引き続き個人移民申請をされている方々はいらっしゃいます。諦めず、カナダにおいてどの職種の需要が安定してあるか、ということに注目してプランを練ってみて下さい。






