マイゴルフ~ゴルフのすすめ~第18回
第18回 パッティングについての予備知識
①パッティングとは、グリーン上にあるボールをパターを使って転がし、ホールに向けてストローク することを言います。
②パッティングは、短い距離をボールを転がしてホールを攻めるので、易しく見えるのですが、そ こにはグリーンの芝生の種類(高麗、ベント、バミューダ等)、硬い芝軟かい芝、芝目の向き(順目、 逆目)、芝生の長さ、上下左右グリーンの高低差(アンジュレーション)など等があって早いグリーン、 遅いグリーンで悩み、なかなか思い通りに行かないものなのです。
③通常のゴルフコースはパー72です。パー5のホールでは3回でグリーン・オン、パー4のホー ルでは2回で、パー3のホールでは1回でグリーン・オンすることをレギュウレーション・オンと 言いますが、全てのホールでレギュレーション・オンしてパット数を2回とすると、その合計が 72になります。つまり、パッティング以外のストロークが36回で、パッティングの回数が18ホー ルx2回で36回、合計パー72と言う事になり、パット数が全体の半数を占め、如何にパッティ ングがスコアメイクの上で重要なストロークであるか、をご理解頂けると思います。
④PGAツアー、LPGAツアーの最終日、18番ホール優勝を争うパット、ここにそこまでたどり 着いた選手のロマンがあり、ドラマがあり、歓喜する一瞬があります。TV観戦で、50cmほど のショートパットを決めて優勝を果たした瞬間、体中の力が抜けてひざま着き、涙する選手をご 覧になられた方も多いと思います。それほどに、パッティングは毎ホールで一番最後にストロー クするので、ゴルフゲームの締めくくりであり、短いパットでさえ油断できない面白さがあります。 プロにとっては、大げさに言えばゴルフ人生を左右する要になると言えるのかも知れません。
⑤僕にもこんな経験があります。少し古い話ですが、2009年カナディアン・ゴルフ・ティーチャーズ・ カップに2度目の優勝をかけて参戦した時のことです。最終日18番ホールで3名が優勝争いの 状況で、一人(A)は1点差で2名を追い、残りの二人(B,C)は同点首位。2打目、Aはグリーン・ オーバー、Bはグリーン・オンはしたものの、40フィート以上のロングパットを残した。Cが僕です。 僕の2打目はピン横のバンカー。この時点で、僕は優勝を逃したと覚悟しました。Aはチップイン・ バーディを取れば、プレイオフの可能性あり。Bは2パットのパーで優勝が目前。Cの僕は、バ ンカーからアップ・アンド・ダウン(バンカーショット1打、パット1打のバンカーセーブ)すれば、 何とかプレイオフの可能性あり、という状況です。Aの3打目は、ナイスショットでホールに近づ いたものの30cmほど残してパー。Bは、最初のパットが入れば文句なしのバーディで優勝。B の選手もそれが分かっているだけに真剣にパットします。ボールがホールに向かってスルスルー と近づいてきます。あっ入ると思ったらわずかにカップの縁を通り過ぎ、そこからグリーンが下り になっているのでボールが止まらず、10フィートも行過ぎてしまったのです。さて、僕の番です。 バンカーにあるボールとホールの距離はたったの7ヤードほど。60°のロブウエッジを思い切り開 いて、真っ直ぐ上がってくれと念じながら渾身の力で振りました。フワットと上がったボールはグ リーン・エッジで降り、コロッコロッと転がったけれど、ホールから3フィート離れた坂の上に止まっ たのです。次はBの4打目、パーパット。これが入らなければ優勝なしとばかりにしっかり打ち ました。登りのパット、しっかり打ったにもかかわらず、ホールの5cm手前で止まりボギー。い よいよ僕の番。入れば優勝。2パットなら3人でプレイオフ。下りで少し斜めに転がる難しい3フィー トのパット。カップの3cm左横を狙って打ちました。曲がってくれると信じて打った後は、頭を 動かないようにして左耳で音を聞くようにしました。カランという音が聞えた時は、全身の力が 抜けたように、ボーとしていました。その後2人がやってきて”Congratulations”という声で目 が覚めた感じでした。そうしたら、急に涙が込み上げて来て、”Thank you“と小さく言うのが精 一杯でした。
この日の出来事は、一生涯忘れられない「会心のパット」になりました。
次回は、パッティングの基本練習のアドバイスを解説します。
カナダ・ゴルフ・ティーチングプロ 藤井 勇
ゴルフ暦:38年 オンタリオ公式ハンディキャップ:7
2006年9月25日にオンタリオ州クロスウインズ・ゴルフクラブで行われた2006年度カナディアン・ゴルフティチャーズカップに初挑戦し、スー パーシニア部で初優勝。2007年10月にラスベガスで開催されたゴルフティチャーズ・ワールドカップにカナダ代表として初出場、スーパーシニア部門で4 位入賞。2009年度カナディアン・ゴルフティチャーズカップに再挑戦し、スーパーシニア部門で度目の優勝を飾った。

第18回 パッティングについての予備知識


