アラフォー留学は遅すぎる?実体験からの学びと今後のキャリア|37歳で人生初の海外留学に挑戦中【第7回|最終回】
ヨーロッパ・北米に留学

大学院では国際経営学(International Management)を専攻し、ポルトガルとカナダで、20カ国以上の学生たちとともに世界標準のビジネスフレームワークや交渉戦術を学んだり、文化によるリーダーシップの違いや会議の進め方など、ハードですが実践的にじっくり学ぶことができました。
特に印象に残っているのは、留学が始まって一番最初の必修科目の国際経営学の授業です。1時間半で1000ワードの企業分析を書く試験が課され、学期の初めに説明を受けたときは「200語くらいでも大変なのにできるわけない」と青ざめ、不安で不眠になるレベルでした。しかし同級生と何度も模擬試験を解き、試験当日は980語まで書くことができました。この経験は私にとって大きな自信になりました。
様々な国籍の学生たちとのディスカッションを通じて気づいたのは、どんな環境でも最も大切なのは「Curiosity(好奇心)」だということです。異なる価値観を持つ人々と協働するには、まず相手を信頼し、その背景にある文化や考え方に対して好奇心を持つことが不可欠です。それができれば自分とまったく異なる環境に飛び込んでも、最終的には良い方向に向かうのではないかと実感しました。
アラフォー世代ならではの留学価値
若い学生とは異なり、アラフォー世代の留学はより明確な目的意識を持った「自己投資」として位置づけられます。私の場合、これまでの職業経験やライフスキルが学びを深める土台となりました。クラスでディスカッションする際も、実務経験からの具体例を交えて意見を述べることで、若い学生たちとは違った角度から議論に貢献できたと感じています。
一方で、年齢を重ねてからの挑戦には、失敗を恐れない覚悟も必要です。最初は「社会人経験が長いんだからちゃんとしたことを言わないと」と勝手に自分にプレッシャーをかけていました。しかし「社会人経験はあっても、大学でアカデミックに経営学や経済学を学んでいないし、わからないことがあっても当たり前」と考え直すことで、わからないことは授業内で質問したり同級生に相談したりするようになりました。その結果、学びの質が格段に向上しました。
ワンオペで2人を育てた夫
留学中、家族との時間を犠牲にすることは大きな決断でしたが、思いがけない収穫もありました。夫はワンオペで見事に2人の育児を担ってくれ、さらにとても楽しんでいる様子でした。「育児は母親が責任を持たなきゃ」という無意識に自分の中に内在していた母親としての重圧に気づき、改めて育児に対する向き合い方も客観的に考える良い機会になりました。また、娘たちも私不在の中見事に成長してくれて、本当に頼もしい限りです。一方で私はというと、家族がいない生活は自由を謳歌しつつもとてもさびしかったので(笑)、家族みんなで一緒にいたいという思いも強くなりました。
祖国・日本に感じる可能性
春から日本の所属大学院に戻り、来年(2026年)3月に卒業予定です。家族の仕事のタイミングと、日本の大学院での研究が始まること、そして実家のサポートを受けられることなど複数の要素から、子どもたちと共に日本に拠点のベースを移すことにしました。一方で将来的には北米に戻ってくる予定をしており、多拠点生活の第一歩となっています。
ヨーロッパと北米での生活を通じて強く感じたのは、「日本文化」への世界的な関心の高まりです。街のカフェには抹茶ラテが定番メニューとして並び、寿司を知らない人はおらず、日本への旅行経験や予定がある人に驚くほど多く出会いました。このグローバルな日本文化ブームは、私のキャリアにとっても大きな可能性を秘めていると感じています。
しばらく日本にいる間にじっくり日本に対しての学びを深め、卒業後は大学院で学んだ国際経営の知識と日本文化の理解を組み合わせることで、新たなキャリアパスを開拓していきたいと考えています。
人生はすべて「実験」
同世代の方々に伝えたいのは、「迷うなら飛び込んでみる価値がある」ということです。確かに時間やお金などの投資は必要ですが、得られるものはそれを上回ります。特に自信とグローバルなネットワークは、どんなキャリアステージでも貴重な資産となるでしょう。そして何より、新しい環境で「自分らしさ」を再発見できることが、アラフォー留学の最大の魅力かもしれません。
人生でやりたいことリストのトップに約20年間のっていた留学にチェックできたことで、次の人生リストに載っていることに挑戦できる準備が整いました。引き続き「人生は全て実験(Life is just an experiment)」と思い、まずは試してみるという姿勢を続けていきたいと思います。短い間でしたが、連載を読んでくださり、ありがとうございました!









