~健康な皮膚が欲しい。その①~|漢方内科医の手当て|王瑞雲の連載コラム
昔から「皮膚は内臓の鏡」と言われます。日本にある手当てや治療方法をなんでも探し研究しようとする者にとって、顔相学や手相学、皮膚を診るなどの望診はとても大切な診断方法の一つです。しかし表面の病状を消したら終わりとはなりません。
まずちくわの形を想像してください。外側表面(皮膚)と内側表面(粘膜)は繋がっていますね。つまり皮膚と粘膜はとても関係が深いのです。発生学的に一つの穴は口になり、もう一つは肛門になります。内側表面に囲まれた空間が消化管です。皮膚は人体という個体内の世界と体外という外の世界との境界を作る役目があるのです。
発生学や胎生学から言っても人の皮膚は体内の様子を私たちに見せるスクリーンの役割をしています。人の身体は見えても精神は見えません。それでも両方合わせて一人の人ですね。母親との繋がり「へその緒」が切れた途端に赤ん坊はもう別個の個体として成長し、成熟そして老化へと体内スケジュールに沿って身体はどんどん変化していきます。
私たちはいつも若々しくてエネルギーに満ちあふれる、きれいで健康的な皮膚が欲しいと願っていますが、それを叶えるためには「人の身体は食べ物で出来ている」という古くからの日本医療文化の教えを学習、実行すれば良いのです。
体内の消化器官がどぶ川のようになっていないか考え、そしてその大掃除から始める。つまり体内の不要物の排出、清掃、解毒から進めていくのです。
今の私たちの体内には一体どのくらい毒が溜まっているのでしょう?
1965年頃に婦人科の先生が教えてくれた話です。「昔は赤ちゃんが生まれるとバターのようないい匂いがしたのよ。でも最近は出産があったらどぶの蓋を取ったようにとても臭い。皮膚がドロドロで助産婦さんも気持ち悪がって触りたくないこともあるのよ。」世には食品添加物が増え、インスタントが大流行し始めた頃でないでしょうか?
赤ちゃんの皮膚はお母さんの体内毒を吸い続けた結果です。赤ちゃんは自分の生きる母体の環境を良くしようと一生懸命毒を吸収し続けてくれるのです。赤ちゃんはお母さんに命がけで犠牲を払っているのです。
消化器官がどぶ川のようになっているか知るためには、人体について学習する以外ありません。医者なのに診て分からない人も多いのですが、それは本当の人の身体とはどのようなものか、本当のことは一生学習し続けても時間が足りないほど奥深く幅広い膨大な量の中にあるのです。

王瑞雲(オウ ズイウン)
漢方内科医1940年神戸生まれ。小中校の成績は中の下。数学が苦手。日本医師国家試験を最年少で合格。東京大学付属小児科医局員研究生を経て東京都国立市に開業。聴診器一本に漢方と食養をメインとした診察スタイルで60年以上の診療経験。新聞コラム連載、著書多数。現在トロント在住。 Blog: https://ohzuiun.com/





