TORJA読者旅行記#40
#040 ボラカイ島で Beach bum
今月のレポーター MAYAさん
以前フィリピンに住んでいたことがある。その当時は、首都マニラにある旅行会社に勤務しており、毎日のカウンター業務に加え、営業で外回りに出かけたり、国内外の旅行の企画や、ホテルのインスペクション等で忙しくしていた。
フィリピンと聞くと、日本のオジサマ達が昼も夜も羽目をはずして、がっつり遊ぶところというイメージもあるが、(真相は私の知る由もないけれど。) 7,000以上の島々で成り立っている国なので、リゾート地として旅行者が大挙して押し寄せる島もあれば、洗練とは程遠いけれど、そのままの自然を感じられる、欧米人バックパッカー御用達の島、または秘境、などあげたらきりがないほど、様々な顔をもつ。私はホテルインスペクションという名目で、相当色々な島へ行かせてもらったが、フィリピンを去る頃には満腹感のようなものを感じて、「もうこの国に来ることはないだろう。」と思っていたのだ。なのに、今年行ってしまったフィリピンに。なぜなら結婚10周年なんですもの♥フィリピンのボラカイ島で知り合った夫と、Sweet 10th Anniversary Tripだ。
ボラカイ島はマニラから約200km程離れた小さな島である。島に空港はないので、近くのパナイ島まで飛行機で行き、そこからボートに乗り換えてやっと到着する。ボートで揺られること約15分。見えてくるのは長く続く真っ白な砂浜と椰子の木だ。先ほどフィリピンの島には様々な顔があると申し上げたが、ボラカイ島はフィリピン有数のリゾート地。首都マニラからアクセスがいいわけではないのに、フィリピン人にも外国人にも大人気の島。ホテルもいろいろなタイプから選べる。私はすでに“パーティー三昧”は卒業しているので、中心部から程よく離れた人気の少ない場所にあるホテルを選んだ。
ビーチリゾートでの過ごし方の好みは人それぞれだろう。照りつける太陽の下に寝転んで丸1日読書をしたり、アクティブな人達は、シュノーケリングやらジェットスキーやらで豪快に遊んだり、南国ムードでいっぱいのカフェに入り浸って、人間観察するのもされるのもまた楽しい。私はどれも大好き。
フィリピンに住んでいた当時は、週末や連休の度にスキューバダイビングをしに海へ行っていた。ボラカイ島に来たからには、絶対に潜りたいっと意気揚々としてウェットスーツに着替え、ボートに乗り込み沖の方まで向かう。タンクを背負い海に飛び込んだ途端、これから何十メートルも下に潜るのかと想像したら(実際は、久しぶりだったのでたったの10メートルほど。)突然怖くなってしまった。そこで「やっぱりやめます」はワタシ的にはアウトなので、意を決して潜った。ダイビングは最高だ。海の中は陸の生活とは全く異なる青い世界が広がり、見るもの全てが面白い。しかもフィリピンは季節や地域によって、ジンベイザメなど珍しい生き物を見ることもできる、ダイバー憧れの地でもある。
旅行にでたら、やはり現地の料理が食べたい。フィリピン料理はあまり有名ではないけれど、そこそこ(!)美味しいものもある。大好きなのは“シニガンスープ”。タマリンドという一見豆のような果実をベースに、エビや豚肉が数種類の野菜と一緒に煮込まれた、酸っぱいスープだ。これを白いご飯と一緒にいただく。暑いところで食すこの酸味が元気の素になる。
パーティー三昧は卒業した私でも、ボラカイ島の夜がどれだけ盛り上がっているのかは気になるところ。ビーチリゾートに行って夜遊びせずにホテルの部屋にこもっているなんて、絶対にしてはいけないことの一つですよ。ここには、カナダ人オーナーが経営する“Cocomangas”という名のクラブがある。ビーチ沿いにあるそこは、当時いつでも大勢の人が集まる有名クラブだったが、今でも大繁盛。朝から晩まで思いっきり遊ぶのも、潮風に吹かれながらだと、なぜか楽しさが増すのは気のせいか。
この旅行の最終日には、ホテルのコンシェルジェに頼んで、2人だけのビーチディナーをセッティングしてもらった。海へ続く階段を下りていくと、一定方向にきちんと整えられた砂浜の上に、キャンドルと花が飾られたテーブルがある。気恥ずかしくなるほどロマンチックだ。専属のウェイターさんとシェフまで。夫よ、ありがとう。少なくともあと10年は良い奥さんでいられそう。
トロントからは、どうにも遠いフィリピン。でも日本へ帰った時に、少し足を伸ばせば行ける国。あなたの“行きたい国リスト”に是非加えてみては?
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