世界女酒場放浪記 #07
日本酒利酒師 松本真梨子が行く世界女酒場放浪記
第7回「日本酒は世界で流行るのか?」
今年も5月26日にカナダ最大の日本酒イベント“Kampai Toronto”が盛大に開催されました!知らない人の為に今1度…お酒が厳しく規制され気軽に日本酒が購入できないトロントでなんと140種類以上の日本酒とおつまみを楽しめる年に1度の利き酒会です!


皆さん行きましたか?逃した方は来年ぜひ参加して下さいね。
私がトロントに来た1番の目的は「日本酒を海外で広めるような仕事をしたい!」で、目標として『Kampai TorontoとNYで毎年行われるJoy of Sakeにスタッフとして参加したい!』と決めていたので、カナダ滞在中に2回もKampai Torontoで自らサーブする事が出来て、本当に貴重な経験ができたと感謝の気持ちでいっぱいです。昨年は誰も知らず、英語でほぼ説明できずてんやわんやで終わりましたが、今年は少しですが知っている人も増え、日本酒イベントの常連様にも顔を覚えてもらえ、何より(まだまだ拙いのは承知の上)英語で説明する事が出来るようになり、成長したなぁと感じる事が出来ました。
さてさて、日本のマスコミは最近“海外で爆発的日本酒ブーム”と報道しており、海外で日本酒がかなり浸透しているような錯覚に陥りますが、現実はそうではなく…輸出量は日本酒生産量の数パーセントしかありません。私は日本酒インポーターに約10か月働いていたので、トロントを例にあげると、輸入できる船便が年に3回ほどしかなく、我々インポーターはレストラン様がオーダーしていただいた分しか輸入が出来ないため在庫を持てず、「なくなったのでオーダーお願いします!」とご要望を受けても、『あ、では、次の便が2か月後あたりなのでお届け予定は3か月後ですねー!』「えーーー?!(レストラン様)」というほど、現実は色々な問題があります。
また、今まで海外の日本酒きき酒会や商談展示会に何度か紹介する側として参加したり、トロントの日本食レストランでお客様にサーブをしておりましたが、「Sakeはアルコール度数が20%以上ある強い蒸留酒でしょ?(中国の白酒と間違えている人が多い)」なんて言われたこともたくさんあります。
それでも確実に、この素晴らしき日本の伝統日本酒が世界に受け入れられていっているのも事実です。国税庁の統計を見ると輸出量は5年間で135%以上アップし、試飲会に来る海外の方の知識だって、「コイツー!日本人より知ってるじゃん!!」なんて人もざらにいます。何より現場で幸せそうに「カンパーイ!ニホンシュサイコー!」という海外の方々の姿を見ると、美味しいものは素直にこう評価されるんだ、と感じずにはいられなくなります。そして、毎度思うこと、広めていく日本酒メーカー、インポーター、マスコミ、1個人の正しい知識と情熱がいかに重要か、ということを身をもって実感致しました。
大きな事をやらなくたっていいんです!カウンターで隣に座ったカナディアンに、1杯試してみる?なんて事だって、海外に日本酒を広める大きなきっかけ。少しでも日本の文化を何か広めたいという気持ちが皆さんにあれば、海外での日本酒の未来…明るい方向に向かっているのは間違いありません!
実は7月1日をもちまして、トロントを去ることに致しました。まだまだトロントで日本酒に関わりながら滞在したい気持ちでいっぱいですが、ここで得た経験を色々な事に変え、人の為に役立てるよう頑張りたいと思います。が…、この連載はまだまだ続けます!カナダで得たお酒にまつわる紹介、そして、まだ日本に帰国しないので旅をしながら世界のお酒情報を発信したいと思っています。今後ともぜひ読んで下さいね!
今宵はパティオでビールの後は冷酒!そんなオツなトロントナイトはいかがでしょう?
日本酒の未来に今日もかんぱーーーーい!!!
松本 真梨子
2014年に渡加し、日本酒・焼酎インポーター酒蔵CANADAで営業と居酒屋KoyoiNorthYorkでマネージャーを経験。現在中南米を中心に飲み歩き珍道中。





