晴天霹靂のトラブルを乗り越えて #02
salon bespoke オーナーHiroの「晴天霹靂のトラブルを乗り越えて…」
2011年5月にYonge St×Yorkville Aveにオープンし、2014年8月にはYorkvilleエリアの中心Big Rock真向かいのCumberlandに移転したsalonbespoke。オープンして3年の間に移転を余儀なくされたトラブルに見舞われたオーナーのHiroさんのお話を聞き、このカナダでビジネスをしている方、起業を心がけている方のために、少しでも同じようなトラブルや被害を減らすため、Hiroさんのご協力のもと、実際の起きたトラブルの詳細を連載していきます。
第2回「いきなりの家賃$8000超の値上げ通告」
サロンオープンからたった7ヶ月後、 クリスマスの忙しい時期に行われたビル売却に関した承認書にテナントとしてサインした Hiro さん。新オーナーの名前も連絡先も入手できないまま状況は変わらず時間だけが経ち、オーナーが代わってから4ヶ月が経過していた。そんなある日、同じビルの2階に住んでいる住人とビルの現状について話す機会があった。住人も新オーナーの詳細は知らなかったが、メールアドレスだけは持っているとのことで、4ヵ月経ってやっとHiroさん達は、連絡先を入手することが出来た。すぐに「1階でサロンを経営をしている者ですが、家賃を支払いたいのと、緊急時の連絡先を知りたいのでご連絡下さい。」とメールを送った。
数日後、新オーナーの代理人という弁護士からメールが届いたが、その内容は、支払先がわからない為に払えていなかった家賃に関し、Hiroさん達を責め立てるように滞納していると決めつけるものだった。メール内容が記録として残り、相手側の勝手な言い分を認めてるいるように見なされる事を恐れたHiroさん達は、 代理人への返信で、「まず始めに滞納という言葉を使わないでください」というところから始めました。 続いて「12月に前オーナーがビルの売却をしてから何度も彼らに連絡しましたが、新オーナーの名前も連絡先も隠し続け、何も教えてもらえませんでした。そして今回、私達から連絡するまで、アナタ達は1度たりともサロンを訪れることはなく、連絡さえも頂けませんでした。それで、私達にどのように家賃を支払うことができたのでしょうか?」と冷静に対応をしていく。
すると、相手は状況を誤解していたと言い、家賃の請求書を送ってきた。ところが、届いた請求書はなんと今までの家賃よりも$8000以上も上がったものだった。
コマーシャル物件は通常の家賃の他に TMI(Taxes, Maintenance and the Landlord’s Building Insurance)というものを支払う。$8000以上も上がった家賃の内訳は通常の家賃部分ではなく、このTMIの部分を上げる必要がある、という主張をもとに計算され出された金額だった。
オープンして1年以内の店にとって、家賃が2倍以上になるということ、とてもじゃないが受け入れられるものではない。新オーナー側は、“これはぼったくろうとしているわけではなく、トロントが定めてる Property Tax が上がってしまう為で、保険の金額等も必然的に上がってしまった。また今後はビルのメインテナンスも別会社に頼む為、これだけの TMI が必要である” と主張してきたのだった。
こうしてHiroさん達にとって、とても辛く長い戦いが始まるである。。。(続く)
Hiro さん
名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。若い頃から憧れた、NYのサロンや Vidal Sassoon からの誘いを断り、世界中に展開するサロン TONI&GUY(トロント店)へ就職。1年目から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再び、トロントのTONI&GUYへ復帰。クリエイティブディレクターとして活躍し、北米Top10も受賞。2011年に salon bespoke をオープン。2014年8月にはYorkvilleエリアの中心地に移転した。
salon bespoke
Tel: 647-346-8468 / 130 Cumberland.St 2nd floor / salonbespoke.ca