特定非営利活動法人 さんさんの会
知らなかった支援のさまざまな形。
「おかず配食サービス」―必要なものを、必要なだけ届ける
HP : sansannokai.org
FB : www.facebook.com/sansannokai
「さんさんの会」の始まり、そして課題と模索
2014年10月31日、「さんさんの会」(岩手県大船渡市)は、3年7ヶ月続けてきた「おかず配食サービス」を終了した。震災翌日、かろうじて津波の浸水を免れたイタリア料理店のシェフが厨房を片付け、残っていたお米で炊いたおにぎりを配った日から始まった支援活動だった。一日最大2400食を大船渡市内の避難所約60カ所に届けていた。被災者の仮設住宅移動に伴い、2011年9月からは高齢者を対象にし、配食と見守り活動を続けてきた。配食サービス終了には、現在の被災者が抱える課題「自立への意欲」とズレが生じてきていることと、活動資金の課題が背景にある。2012年5月にNPO法人化し、活動拠点「さんさんキッチンハウス」も完成した。しかし、刻々と変わる被災地の状況と資金のやりくりは、支援活動を続ける団体に重い課題となる。「さんさんの会」は今後、希望する被災家庭への「見守り」を続けながら、復興へ寄与する取組みを模索する。
届けていたのは「おかず」と繋がり
ひとりひとり、直接手渡しし、被災者の様子を確認し、会話をし、聞き取りを続けた。配食の対象者は、高齢者、特に独居高齢者、老老介護世帯などの身体的・経済的・精神的に配食見守りが必要な被災者に絞り込んでいた。コミュニケーションを続けるうちに、被災によって固く閉じていた被災者の心が開く時、活動を続ける意味を感じる。震災後1年間ほどは、青空市と題して、毎週末物資配布活動や料理教室を中心としたイベントも主催してきた。毎日の配食の時に細かいニーズを聞き出して、必要なものをネットを通じて全国に呼びかけて調達し、届けていた。支援が行き届いていない在宅やみなし仮設の人々にも、公平に支援が行き届くよう、地元だからできる心配りで支援した。
配食を終了してから開催した料理教室で、配食対象者だった男性から、「あんただちがおかずをもって来なくなってさみしいが今は自分で工夫して料理をするようになった。これもあんただちのおかげだ」と声をかけられ、金曜日の配食担当の金野正記さんは、配食終了にかける願いのひとつであった「自立」の手応えを感じた。
刻々と変わる被災地の状況の中で必要とされる「見守り」
引越しや自立、また、亡くなったなどで、配食見回りの対象者が減っていく一方、引き続き支援が必要な人々の要支援度は高くなっていくため、「見守り」を続けている。現在、大船渡市の仮設住宅は、自立再建できている人々が出て行き、全体で3分の1ほどの空きが出ているそうだ。一方で、残された人々は将来への不安を抱えている。今後も見守りを通じて心を支えてゆく。次の取組みは、地場産品を活かした商品開発だ。配食サービス時代には、「必要な人に必要なものを、必要なだけ届ける」と、被災者に寄り添った視点で、腎臓病や糖尿病などで塩分やカロリーを控えなければならない人々のために、しっかり味がする制限食を開発していた(※配食サービスとともに終了)。新商品を武器に、大船渡をPRする。大船渡に人を呼び込むシステムづくりに取組む。
復興まで、新しい課題に関わり続ける決心
震災から4年が経とうとする現在、撤退する支援団体も出ているが、残っている団体で、復興の後押しに本腰を入れる決意をしている。地元の規模を同じくする団体と連携を深め、活動してゆくと金野さんは応えてくれた。
「震災から4年近くたちましたが復興はまだまだ先のようです。むしろこれからが色んな新しい問題が生まれてきそうな気がしています。私個人としては震災後、すぐに「これは復興まで15年はかかるぞ!」と確信し、その歳月をかけて関わって行く決心をしました。どうかトロントの皆さん、遠くから見守っていて下さい。」
支援金受付口座情報
岩手銀行 盛支店(さかり)
口座番号 普通2049269
名義 特定非営利活動法人さんさんの会 理事長 菊池 真吾
ゆうちょ銀行 八三八支店(はちさんはち)
口座番号 普通0509733
口座名義 特定非営利活動法人さんさんの会
ゆうちょ間送金 記号18380 番号5097331