今年前期の売買および賃貸マーケット動向ふりかえり|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第67回】
今回は2023年の前半期を振り返り、住宅の売買マーケットとコンドミニアムの賃貸マーケットの状況についてお話したいと思います。
2022年の売買マーケットのスローダウンの影響を受け、トロント不動産協会による2023年8月のレポートによれば、平均不動産価格は108万2496ドルと昨年2022年8月に比べると0.3%UPで、2023年1月時点の前年同月比16.4%DOWNに比べて大きく変化しました。また、売り出し物件数は1万2296件と前年同月比16.2%UPに対して、実際に売れた成約件数は5294件と前年同月比5.2%DOWNとなり、2023年1月時点の前年同月比16%DOWNに比べて成約数は増加している傾向にあります(図1)。
2023年1月以降、不動産平均価格は少しずつ上昇し、4月~7月の4か月間は110万ドルをキープしています。8月は110万ドルには満たなかったものの、2022年の年間平均不動産価格の118.9万ドルに対して、2023年1月~8月の8か月間の平均不動産価格は112.1万となっていますので、今後9月以降の不動産価格が昨年と比べてどうなるのか気になるところです(図2)。
8月のマーケットデータによれば、戸建(Detached)の成約件数は2264件と前年同月比に比べて12%DOWNとなりましたが、平均不動産価格は141万6366ドルと前年同月比2.8%UPという結果になりました。コンドミニアム(Condo Apt)の成約件数は1609件と前年同月比に比べて7.6%UPとなりましたが、平均不動産価格は70万5572ドルと前年同月比0.9%DOWNと戸建に比べて真逆の結果になっているのが興味深い点です(図3)。
2023年第2四半期のコンドミニアムの売買レポートを見てみますと、2023年第2四半期(4~6月)はコンドミニアムの平均価格は73万7914ドルと前年の同じ時期に比べて4.2%減少しています。一方、売り出し物件数は1万2384件と前年同期比13.5%DOWN、実際に売れた成約件数は6836件と前年に比べて20.5%UPとなり、半年前に比べて大きく異なる結果となっています。住宅ローンの金利アップの影響を受けて、投資物件としてコンドミニアムを所有しているオーナーたちが価格を下げても売ってしまいという状況の側面が垣間見える気がします(図4)。
第2四半期において最も売れた物件の価格帯は60万ドル~70万ドル、次いで50万ドル~60万ドルでした。最も売れた間取りは2BRが33%、1BR+DENが25%、1BRが19%の順番となっていますが、1BR+DENも15%と割合を増やしています。2023年第2四半期と2022年第4四半期と比べますと、手ごろな50万ドル台の1BR物件は引き続き人気である一方で、より広めの間取りの2BR以上、60万ドル以上の価格の少し高めの物件の売りが活発であったことが見て取れます(図5)。
2023年第2四半期における賃貸マーケットは、これまでに引き続いて賃料が上昇しました。1BRの平均賃料は2532ドルで前年同期比11%UPとなりました。募集件数は1万9907件と前年同期比15.4%UP、実際に貸し出しされた成約件数は1万3935件と前年同期比5.4%UP、募集に対する成約率はそれほど高くない結果となっています。コロナ明け以降、賃料が大きく上がった昨年の夏に引き続き、今年の夏の賃貸マーケットはそれに加えて在庫数が少ないと肌で感じました(図6)。
平均賃料を見ますと、バチェラー(ワンルームタイプ)、1BR、2BR、3BRのいずれの部屋タイプも平均賃料は前年に比べて10%前後~約18%程度上がっています。また成約件数はすべてのタイプにおいて前年に比べて増えました。賃貸マーケットの繁忙期である今年の夏は、需要に対する供給が少ないことから、賃料の上昇も成約数も活発であったことが窺えます(図7)。
これからの秋から冬のスローシーズンには売買、賃貸ともにマーケットがどのように変化していくのか、住宅ローンの金利はどうなるのか、買い手市場は続くのか注目していきたいと思います。
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