コンドミニアムに見る売買と賃貸マーケット|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第60回 】
今回はコンドミニアムに見る、売買と賃貸マーケットについてお話したいと思います。
昨年後半からの売買マーケットのスローダウンは引き続き影響を受け、トロント不動産協会による2023年1月のレポートによれば、平均不動産価格は103万8668ドルと昨年2022年1月に比べると、16・4%ダウンでした。また、売り出し物件数は9299件と前年同月比125%UPに対して、実際に売れた成約件数は3100件と前年同月比44・6%と、マーケットの冷え込みを顕著に表しています(図1)。

2022年8月以降、平均不動産価格は前年同月に比べてすべて減少している一方、コンドミニアムのみに焦点を当てて見てみますと、2022年第4四半期(10~12月)はコンドミニアムの平均価格は71万520ドルと前年の同じ時期とほぼ横ばいの価格。売り出し物件数は3430件と前年同月比130%UP、実際に売れた成約件数は3582件と前年に比べて半分以下に減ったにもかかわらず、価格はそれほど落ちなかったことを示しています(図2)。なお、全体は落ち込み続けた2022年第3四半期においても、コンドミニアムの平均価格は72万132ドルと前年同期比4.5%UPという結果でした(図2)。

第4四半期において最も売れた物件の価格帯は、50万ドル~60万ドルおよび60万ドル~70万ドル、最も売れた間取りは1BR、1BR+DEN、2BRでこれら3つのタイプの間取りの割合を合計すると75%と大きな割合を占めています。このことから、高額の戸建てやタウンハウス、90万ドル台以上のコンドミニアムの売買はスローダウンしたものの、50万ドル台の1BRや60万ドル台の2BRのコンドミニアム物件の売買は活発といえます(図3)。


一方、2022年第4四半期における賃貸マーケットは、賃料の上昇がとどまることなく上がり続けました。1BRの平均賃料は2503ドルで前年同期比19%UPと、とうとう2500ドルを突破しました。募集件数は1万4880件と前年同期比11・8%DOWN、実際に貸し出しされた成約件数は8693件と前年同期比19・9%という結果となっています。
成約率は58%で前年同期の成約率が64%だったのに比べると、成約率は落ちているにもかかわらず平均賃料は上がっていることを考慮しますと、1つの物件に対する賃料が上がっていることを裏付けています(図4)。

平均賃料を見ますと、バチェラー(ワンルームタイプ)、1BR、2BR、3BRのいずれの部屋タイプも平均賃料は前年に比べて上がっています。成約件数はすべてのタイプにおいて減っていますが、賃料は全て上がっています。通常、夏の繁忙期を終えクリスマスに向かう第4四半期は、成約数も賃料もスローダウンする時期ですが、物件数は少ない一方で、良物件には複数の借り手がオファーする状況を実際の業務を通じても感じました(図5)。

図6は第1四半期における各地区のコンドミニアムの空室率です。トロントの空室率は1.6%、他のエリアで空室率の低い地域はHalton地区の0.4%、York地区の0.6%となっています。コロナ禍の際には郊外へ移った人々が多くいましたが、現在はトロント市内の賃料高騰によって、郊外に移る人が増えていると予想します。経済回復とともに郊外に移り住む人々が、今後はトロントに戻ってくるのか、空室は以前のように1%を切るのかについて注目したいと思っています。
これから春に向けて不動産のシーズンが始まります。住宅ローンを受けて全体ではまだスローな不動産マーケットに状況において、お得な価格でコンドミニアムを購入し、高い賃料で貸したい、と思うオーナーには今年はまだチャンスの年と言えるのかもしれません。
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