賃貸契約の解約と退去について|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第71回】
今回は、日本への帰国やお住み替えの新しいお家が決まったら何をする必要があるのか?賃貸契約の解除と退去に際する流れと必要事項についてお話したいと思います。オーナーさんは、テナントから解約を告げられた際の参考にしてください。
契約の解除に際する流れ

①解約通知を送付
まずオーナーへ書面による解約通知を行います。解約通知は最低60日以上前に行う必要があり、解約における最終日は自分の賃貸契約の月サイクルの最終日となります。例えば、1日始まりの契約の場合には月末日、15日始まりの契約の場合には14日が最終日となります。最も正式な方法はN9という解約通知書をオーナーへメールで送ることですが、メールやテキストのみの場合でもオーナーの承諾のサインを得ていれば有効となるかと思います。固定期間の賃貸契約を満期日で終了する場合やマンスリー契約を解約する場合、N9による解約通知となり、テナント(借主)からの一方的な通知のみでOKです。
固定期間の賃貸契約を途中解約する場合、あるいは月サイクルの途中日で解約する場合、N11という解約通知書を使用します。N11はテナントおよびオーナーの双方のサインが必要となります。最終日よりも前に退去した場合、1週間や2週間等解約日と退去日の差が生じた期間に対してオーナーが賃料を返還してくれるケースは少ないです。月サイクルの途中で解約し、最終月は日割りで賃料を支払いたいと希望する場合には、60日以上前のできるかぎり早めにオーナーに希望を伝え同意を得た上で、N11に双方サインをするのがいいかと思います。また、早期解約をする必要があるけれど契約書に定めがない場合、60日前通知の2か月間+ペナルティ1~2か月程度でよいか、など早めにオーナーと交渉しましょう。
②解約前の内見について確認
解約通知を行った場合、オンタリオ州では退去前60日間においてテナントは内見に協力をしなければならない、というルールがあります。通常、オーナーエージェントの不動産会社より24時間前に内見依頼について通知が来ますので、これに対してOKかどうか承諾の返事をします。もし在宅勤務や引っ越しなどの事情により指定された日時にはどうしても内見に来てほしくない場合には、拒否することも可能です(毎回拒否することはできません)。24時間以上前の通知を守ってくれない場合や急な内見通知が続いて迷惑な場合、オーナーエージェント側にきちんとクレームを言いましょう。オーナーエージェントが改善してくれない場合には、オーナーに直接クレームを言った方が効果的です。
オーナーへ解約通知をした後は、オーナーエージェントが今後の内見について担当しますので連絡があるかと思います。ルール上、内見は毎日8時~20時の間とされていますが、毎日何時から何時までOK、毎週何曜日ならOK、あるいはこの日だけはNGと事前にオーナーエージェントに伝え、決めておくといいでしょう。内見通知方法もテキストメッセージ、電話、メールなど希望を伝えましょう。通常、内見はロックボックスと呼ばれる鍵を入れた小さなボックスをお部屋または建物内に設置するか、コンシェルジュに鍵を預けます。内見を希望するエージェントはその鍵を使ってお部屋の中に入りますので、内見時にテナントが立ち会う必要はありませんが、内見がある日は貴重品の管理にご留意ください。また、MLS等で賃貸募集を行う前に、オーナーエージェントが部屋を訪れて不具合な箇所は無いかと確認したり、募集用の写真を撮影を行うこケースも多いです。
③退去に際する点検および鍵の返却

契約最終日あるいはそれより前の日など、実際にオーナーへ鍵を返却する日(退去日)が決まったら、早めにオーナー側へ連絡し、日時について確定しましょう。退去時には、お部屋の点検および鍵の返却を行います。点検は主にお部屋に目立つ汚れやダメージがないか、家電等は使える状態かなどをオーナー側がチェックします。何かダメージや不具合がある場合、キーデポジットから差し引かれたり、さらに修理費にかかる不足分を求められることもあります。明らかにテナントの責任によるダメージがある場合、1~2週間ほど前にオーナーに事前に来てもらい一緒に確認し話し合っておくのもお勧めです。
基本的に退去時は原状回復となります。家具が無かったお部屋の場合、家具はすべて処分する必要があります。家具を残していきたい場合には、オーナーに事前に確認してみましょう。また「退去時にはプロフェッショナルクリーニングを行う」と契約書に記載がある場合、引っ越し後にプロフェッショナルクリーニングを行ってから鍵を返却する必要があります。
もしクリーニングを手配することが難しい場合、キーデポジットから差し引いたり相殺するケースも多いので、オーナー側と相談しましょう。プロフェッショナルクリーニングについて特に契約に書かれていない場合には、オンタリオでは「Bloom Swept(箒で掃いた)状態」で退去するのがルールとなっています。
お部屋に何も問題がなく、鍵も入居時に受け取った時から紛失することなく全て返却した場合、キーデポジットは全額返金されます。キーデポジットは小切手、Eトランスファー、現金と返金方法も色々です。銀行口座をすでに解約していて、小切手やEトランスファーで返金されたら困る場合には、現金で返してほしいと事前にオーナー側に伝えておきましょう。
退去に際する流れ
④引っ越しの手配とエレベーター予約
コンドミニアムの場合、引っ越し日が決まったらエレベーター使用の予約をします。引っ越しの日時とエレベーター予約が可能な日時が上手く合うとは限りません。夏の繁忙期や土曜日は混み合うことが多いため、早目に確認しエレベーター予約をしておくことをお勧めします。
エレベーター使用に際してデポジット(保証金)や使用料を求められますが、入居時は個人小切手でよかった場合でも、退去時はバンクドラフトを求められるケースが多いためご留意ください。
お住み替えの場合には、現在のお住まいとご新居と両方のエレベーター予約を行う必要がありますので、引っ越し日について早めに確認し、手配しましょう。
⑤テナント保険の解約・変更
保険に加入した際の会社または保険ブローカー会社に連絡して、退去日を伝え、テナント保険の解約手続きを行います。自動的にテナント保険が更新されてしまうことを防ぐため、解約が決まったら早めに連絡しましょう。また、途中解約の場合は残存期間における保険料を払い戻してもらいます。払い戻しの際には通常、手数料が引かれた上で残存期間に対する保険料が返金されます。小切手にて返金してもらう場合には、帰国直前の銀行口座を解約するまでに手続きを行う必要がありますのでご留意ください。お住み替えの場合には、現在のお住まいに対する保険解約と、ご新居に対する保険加入と両方について手配が必要となります。2つの保険では重複期間が生じますので、重複期間の取り扱いについて保険ブローカー会社と併せて確認しておきましょう。
⑥光熱費やインターネットの解約・変更

解約日或いは退去日を最終日として、オンラインまたは電話にて光熱費のアカウントを解約します。自動引き落とし(Pre-Authorised Payment)にしているけれど銀行口座は解約する場合、最後の請求書は自動引き落としにしないでほしいと伝えます。最後の請求書をメールまたはMYアカウントで確認したら、電話やサイト上でクレジットカードを使って支払います。光熱費の手続きは時間がかかるため、退去日が決まったら早めに連絡することをお勧めします。
お住み替えの場合、光熱費については2つの住居の光熱費の会社が同じであれば住所変更手続き、違う場合には現在のお住まいに対する光熱費の解約と、ご新居に対する保険加入と両方について手配が必要となります。
当初の契約に定められた通り、光熱費(およびテナント保険)は契約最終日を解約日とすることが基本ですが、契約最終日と実際の退去日が1か月~1か月半など大きく差が生じる場合、自分が退去する日付で光熱費(およびテナント保険)の解約を行ってもいいか、オーナーと事前に確認し同意を得た上で手続きすることをお勧めします。その場合、鍵の返却をする退去時に「今後テナントは光熱費の支払いや部屋のダメージ等への責任は負わないものとする」とオーナー側から一筆もらっておくと安心です。
インターネット及びケーブルTVについては、契約している会社にサービス終了希望日を伝え解約手続きを行います。インターネットのWifi Boxは通常、サービス終了後30日以内に会社へ郵送か店舗へ持ち込んで返却することが必要です。Wifi Boxを返却しないと罰金を取られることもありますのでご留意ください。お住み替えの場合、住所が変更が必要となります。
直前になって慌てることがないよう、早めに帰国やお住み替えの準備を進めていきましょう!
※弊社では、解約や退去に伴う各種手続きの代行、退去立会い等も承っております。不動産に関する疑問・質問、ご要望についてお気軽にご相談ください。






