揺れなくても、津波は来る─岩手沖 地震が突きつけた“体感と避難”のズレ|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第160回】

岩手県は東日本大震災の際にも津波による大きな被害を受けました。東日本大震災以前も、大きな地震の度に津波がやってきました。当然、東日本大震災以降も大きめの地震の際には津波警報や注意報が度々発令されて避難をしてきました。その場合、ほとんど震源が三陸沖の近い場所にあるか、震度も5とか6とかの大きなもので、津波警報、注意報が発令されてきました。
しかし、2025年10月9日に起こった岩手県沖の地震では、震度が4だったのに、最初から津波注意報が発令されました。私も岩手にいましたが、体感的な揺れはあまり強く感じなく、「揺れているな」くらいの感じでした。体感的には震度2とか3くらいの揺れでした。
しかし、その体感で、テレビでは「三陸沖に津波注意報発令」と出て、テレビは一気に地震と津波注意報のお知らせであふれました。今回はスマホから大きな地震の際の警報も一切鳴りませんでした。
実際に久慈市などには数十センチの津波が到達。被害はありませんでしたが、津波は「来る」ということが実証されました。今回は揺れが小さかった分、避難の指示が出ても、避難する人が少なかったこともあり、揺れの大きさと非難行動には相関関係があることが理解できました。揺れていないのに、避難所に行け、と言われても難しく、ただ、津波は小さいですが確実に来たことも事実です。本来ならば間違いなく非難しなければいけない状況です。
しかし、人間は「慣れ」があるので、どうしてもその自分の感覚で判断をしてしまいがちです。
特にお年寄りなどがいる家は、お年寄りを一緒に避難させるのはとても大変で、空振りだとまた家に戻り普通の生活に戻るのも大変だと聞きます。小さい赤ちゃんのいる家庭も同じでしょう。まだ冬の真っ盛りではないので、インフルエンザとかは蔓延していませんでしたが、インフルエンザ流行の時期や、コロナだったりすると、避難所に行ってそれをもらってきてしまう可能性もあります。避難して感染症になってしまう事も考えると、体感的に大丈夫なら動かない、という判断もあるのだと思います。
ただ、「もしも」、という可能性もあります。もしも、大きな津波が来てしまったら。もうどうする事も出来ません。なかなか難しい問題ですが、避難の考え方、しっかりと家族や地域で話し合っていかなければいけません。













