能登の復興は1年経過しても遅れています。|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第149回】
2025年1月1日。この原稿を書いている日です。思いおこせば、2024年1月1日の夕方、今でも鮮明に覚えていますが、能登での大震災が発災しました。世の中はお正月、家族で団らんしたり、親戚と飲んだりしている日本における、一番日本らしい時間。私の住む岩手の外は寒く、冬らしい一日が終わる夕方でした。
美しい能登半島をマグニチュード7.6の地震が襲います。1年で震災関連の死者は241名と未曽有の被害になりました。何よりも、日本人として一番日本らしい時間を過ごす元日。この日に発災した事は、能登の方々はもちろん、北陸地方の方々、そして日本全体に大きな衝撃を与えました。
能登の冬は寒く、これで避難所生活をするということは、3月に発災した東日本大震災の避難所生活ですら、とてつもなく寒く、その寒さとの戦いがとても大変だったことを思い出し、1月の避難所生活がどれだけ苦しいか、容易に想像できました。寒い、という感覚は、どうする事も出来ません。避難所にはまともな暖房もありません。東日本大震災の時もそうでしたが、小さなストーブを学校の体育館や教室に持ち込み、そこにみんな集まり暖を取ります。
避難してくるので、まともな寝具、まともな上着なども少なく、本当に寒さは避難の一番の敵でもあります。
同じく、真夏の避難も、暑さは熱中症をおこし、死に直結します。日本の避難所は、どうしてそういった避難専門の場所が無いのか。今でも避難場所は公益の公民館や学校などが圧倒的に多く、特に東日本大震災のように避難者が多ければ、学校に避難すると、学校としての昨日の回復もかなり遅れてしまい、生徒たちの学ぶ場所が無くなります。
能登の大震災では、知事による間違った発信も問題でした。発災当初に自衛隊の邪魔になるからボランティアは来ないでください、と発信。確かにその通りなのですが、もう少し言い方を変えないと、ボランティアは集まりません。さらにボランティアは発災初期に必要になるのです。
まだまだ能登の復興は1年経過しても遅れています。この後、どれだけのスピードで復興していくかにかかっています。そして、どんどん風化していく能登の震災。忘れることなく、2025年も能登の支援をしっかりとしていきたいと思います。カナダの皆さんも、是非能登へ暖かい心を送ってください。そして忘れないでください。
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