People.24 vol.6「違う」を 生きる街、トロントでの一年 Hananoさん|カナダで挑戦する若者
1年前の私は、今の自分をまったく想像できていなかったと思う。イベントオーガナイザーとしてカルチャーエクスチェンジをテーマに人と人をつなぐ活動をしながら、舞台や映像制作にも携わり、日系アーティストたちとさまざまなプロジェクトに関わっている。初めてTim Hortonsに行った日に、注文の仕方をAIに聞いていた私に、この生活が想像できただろうか。
そもそもこの街を選んだ理由は映画制作だった。オンタリオ州には映像制作を後押しする税額控除制度があり、ハリウッド作品を含む多くの映画やドラマが制作されている。トロントはフィルムメーカーやアーティストにとって魅力的な街でもある。日本にいた頃、「女優を目指すならハリウッド、フィルムメーカーを目指すならトロントに行け」と言われたことを思い出す。
満を持してこの街にやってきて、多くの経験をさせてもらった。そしてもう一つ強く感じたのは、移民の街トロントの「Multiculture」だ。さまざまなルーツを持つ人々と関わる中で、世界の広さを実感することも多かった。もちろん綺麗ごとばかりではなく、「違う」という理由による差別や偏見を感じることもある。それでも同時に、違いを当たり前のものとして理解しようとする文化も確かに存在していることをこの1 年で身に染みて感じた。
これからの目標は、現在制作している作品をトロントで完成させ、発信することだ。そして、人と人をつなぐイベントオーガナイザーとして、作品を作るアーティストとして、この二つの立場を生かしながら、日本のアートや文化やここで学んだ「共生社会」をトロント強いては世界に伝える架け橋のような存在になれたらと思っている。また、トロントで活動する日系アーティストたちの存在が、もっとこの街で知られていくような場づくりにも関わっていきたい。
トロントでの一年は、まだ始まりに過ぎない。この街でこれからどんな出会いと作品が生まれていくのか、私自身も楽しみにしている。












