People.24 vol.4「私が出会ったトロント日系 アーティストたち」Hananoさん|カナダで挑戦する若者
入江恭平氏が主催するトロント日系アーティスト交流会で私は鈴木みほ氏に出会った。
後日、彼女が出演する舞台『Galen’s Grocer』を観劇。カナダの大手スーパーマーケット企業と物価高騰という、私たちの生活に直結する社会問題を題材にしたコメディ作品だ。
彼女はダンス、アクション、パントマイムといった身体表現を得意とし、それを活かした魅力的な舞台を披露した。
またToronto Fringe Festival 2026(June 30 – July12)では彼女が作・演出を手掛ける次回作『The Improper Identity』が公開予定である。この作品では移民のアクセントに対する偏見や差別問題を扱っている。私自身、この街で生活する中で何度も意識させられてきたテーマであり、彼女がそれを舞台でどう立ち上げるのかとても気になっている。
前回の作品と次回作について考えたことは、この街でアーティストとして活躍することの意義である。日系移民としての背景を持つ彼女だからこそ、選び取っている表現があり、あえて語っているテーマがある。彼女の舞台が観客に直接語りかけてくるように感じられるのは、伝えたいものを手放さずにいるからこそ生まれているのだと思う。
彼女の舞台を観て、私は「この街で何を感じ、何を語るか」という問いを、もう一度自分に返された気がした。私にとって彼女は、トロントで生きるひとりの移民として、声を上げることを選んだアーティストだ。敢えてこの国で芸術に携わることを選んだ私は近頃悩んでいた。この街でしか表現できないことは何なのか、それをどう伝えることで人々の心に触れることができるのか、、、。
トロントの日系コミュニティーは決して大きくはない。それでも、多くの人々がこの街の舞台に立ち続けている。私もまた、その一人として、この街で出会った表現者たちの声を、これからも書き留めていきたいと思う。














