日本酒とトロントの人気タイ料理「PAI」のコラボレーションディナー開催「WINTER WARMUP」
2月4日、ダウンタウンの人気タイ料理店「PAI」にて日本酒とタイ料理のコラボレーション・イベントが開催された。Kampai Torontoでもお馴染みの『SIO』が主催したこのイベント。日本酒に合う新たな料理を追い求めるべく、今回はタイ料理とのコラボを果たした。
当日は伊藤恭子・トロント総領事も会場に駆けつけ、弊誌の取材に対して「タイ料理と日本酒を合わせる、というのはなかなか聞きなれないものでしたが、美味しい組み合わせが沢山あってよかったと思います。
トロントにおける日本酒の市場は成長してきていると思いますが、まだまだこれからさらに伸びると思います。そのために私共も日本とカナダを繋ぐ立場として日本酒の魅力を発信し続けていきたいと思います。
カナダにいる皆さんに美味しい日本酒のことを知っていただくことはありがたいことですし、『SIO』の皆様にも一生懸命尽力していただいています。これからは日本食に合う日本酒ももちろん、日本食以外の料理にも合う日本酒を紹介していけばさらに客層が広がっていくのではないでしょうか」と期待を寄せた。
和食の人気に伴い、トロントでの日本酒の知名度もここ数年で大躍進を遂げている中、今回はあくまで和食ではなくタイ料理という新境地に挑んだ『SIO』。そこにはどういった理由があるのか。今日までの『SIO』を築き上げてきた二人にお話を伺った。
OZAWA CANADA
小沢彰太郎氏
ー今回のサテライト・イベントの狙いは?
『SIO』はカナダ最大の日本酒イベント「Kampai Toronto」を毎年主催しています。その他に小規模なイベントが毎年秋と冬にあります。これは、「Kampai Toronto」に参加できない・物足りないという方に向けて開催しています。秋は毎年10月1日の「日本酒の日」に開催しています。
ー今回タイ料理をチョイスした理由は?
日本酒が和食に合うことは既知の事実の中で、和食以外の料理にも合うことを発信していきたいと考えています。タイ料理もそのうちの一つです。タイ料理は和食に比べると辛く、脂っこいところがあります。揚げ物も多いですしね。今回振る舞われている日本酒はそういった濃い味にも負けない、コクのある銘酒が揃っています。
ーオンタリオでの日本酒市場の盛り上がりの変化
ここ10年間でとても成長しましたね。かつて日本酒はLCBOに数えるほどしかありませんでした。今となってはLCBOのProducts of the World Specialty Boutiquesという世界中の国のお酒に特化した店舗がいくつかあり、日本のお酒を扱っている店舗では100種類以上の日本酒を手に入れることが出来ます。オンラインでも購入可能です。
この成長には『SIO』ももちろん貢献してきたと思います。2012年に創立されて以来、「Kampai Toronto」を通して日本酒をお客様に広めてきたつもりです。イベントの参加者も最初は250人ほどだったのが前回は1000人までに成長しました。トロントで日本酒の需要があることは確かです。日本酒の認知・販売振興を掲げる私たちがこのような場を設けることで日本酒のさらなる知名度拡大に繋がれば本望です。
常に日本酒の常識を変えていきたい
METROPOLITAN Premium Wines & Sakes
ビビアン・ハセレル氏
ー今回の開催場所はビビアンさんが選んだと伺いました。
PAIは私たちの長年のお客様であり、オーナーとも個人的に知り合いだったことがきっかけです。「Kampai Toronto」とは違い、サテライト・イベントでは小ぢんまりとした雰囲気を演出したいという狙いがあります。「Kampai Toronto」は人が多くて賑やかですが、そこにいる一人一人とつながりを感じられないのも事実です。お洒落かつアットホームな雰囲気を演出するにはPAIはうってつけの場所です。
私たち『SIO』では常に日本酒の常識を変えていきたいと考えています。タイのバンコクは日本酒業界にとって大きな輸出先の一つです。多くのタイ料理店でも日本酒が提供されています。
ー日本酒の認知度の向上
日本酒が今までよりはるかにポピュラーになったのは事実ですが、まだ日本酒に対して抵抗感を持っている人も沢山います。その理由の一つとして、今回ここにある上品で味わい深く、デリケートな日本酒にまだ触れていない人が多いという事実があります。まだまだ道のりは長いと思います。
「Kampai Toronto」ではおよそ200種類の日本酒が振る舞われます。それだけ多くの日本酒がトロントですでに出回っているということです。三年前まではLCBOの日本専門店舗やオンラインストアなどはありませんでした。日本酒を扱うレストランも増えてきました。ただ、まだまだ知名度は低いのでこれからさらに多くの人に発信していくことが『SIO』としての重要な役割だと考えています。