世界がアートで満たされていったなら第21章

第21章 「Multi Disciplinary Art アートの境界線を打破せよ!!」
MISIAのライブを観に日本武道館に行った。言わずと知れた武道館、数々の伝説を残して来たこの箱。何十年ぶりに来ただろう。
21世紀になってから、メジャーアーティストはもっと大きな箱であるアリーナツアーを敢行するようになり、、、っと、一体いつからミュージシャンがアーティストになったんだい?
アーティストという呼称、過去には、ペインター、イラストレーター、グラフィティライター、スカルプター、ビデオグラファー、、、と様々な視覚芸術の領域によって名称が異なっていた。例えばペインターとイラストレーターは同じ絵を描く仕事でも全く異なる職業だった。ペインターは何ヶ月もかけて一枚の絵を描き上げるためにバイトや様々な苦労をする=ライフそのものがアートだ、みたいな。対してイラストレーターは、アートディレクターから仕事をもらって話し合いのもとクライアントの納得する作品を期日内に納品するというお金が間違いなくもらえるかたぎの仕事。ジャンルは交わる事はなく、どちらかと言えばお互いを敬遠する分野だった。
しかし、最近ではMulti Discipline(マルチディシプリン)、あるいはInter Discipline(インテーディシプリン)のアーティストが急増している。簡単に言うとジャンルを超えた制作活動をしているアーティスト達で、例えば、ミュージシャンで絵を描いて詩を書くといった活動をするならマルチなアーティスト。ピアノ、バイオリン、パーカッションと一つ(音楽)の分野でオールラウンドならインターディシプリンなアーティスト。
僕自身は、初めてカナダに来たときにはジャパレスのウェイターでペインター=マルチディシプリン(笑)、ではなくて、初個展でビデオ作品とペインティング作品(ペインティングは肖像画と風景画のハイブリッド)という二元的な作品を発表した。今考えるとインターディシプリンアーティストの先駆けだったのだろうと思う。もう13年前の話だ。最近では詩を書いたり、クラシックミュージシャンとステージ上で競演したり、自分のインスタレーションアートの中でパフォーマンスアートをやってもらったり、キュレーションも含めて一般の人たちと共同で制作したりもしている。
他分野の芸術家とのコラボであるマルチメディアアートは、珍しい事ではなくなっていて、オーケストラの背景でもビデオプロジェクションは当たり前だし、カナダのグラント(奨学金)でもマルチメディアのカテゴリーができたくらい。ジャンルを超えアーティストが増加すると「誰でもアーティスト、何でもアート」がまかり通るように思える。とすると、新人とベテラン、大人と子ども、男性と女性、日本人とカナダ人、、、今まで境界線で隔てられていた様々な人たちが共同で「いっしょにつくる」世界がやってくる。それはアートによる社会変革だ。超えられない境界線は残るだろう。しかし、アーティストは敢えて限界を打破して行かなければならない。MISIAのライブも視覚演出+オーケストラ+彼女のバンドのマルチメディアだった。となると、ミュージシャンもアーティストでオッケーだなと思えるのだが、、、MISIAも同業の競争相手かよ、、、勝てネーでごんス(でも、感動して涙)。
Today’s his Work

モヴァナ・チェンの作品KNITeratureに参加。
Today’s his Work

Colour digital photograph, 2011
2011年に訪れた気仙沼市を捉えたyesという3枚一組の写真作品の右側の写真。
武谷大介 Daisuke Takeya
トロントを拠点に活動するアーティスト。現代社会の妥当性を検証するプロセスを通じて、その隠された二面性を作品として表現している。ペインティング、立体作品、インスタレーションなどその作品形態は多様で、国際的に多岐に渡る活動を展開。展覧会に、くうちゅう美術館、石巻線アートリンク、OuUnPo ゴジラと不死鳥、六本木アートナイト2013、福島現代美術ビエンナーレ2012、 MOCCA、 国際交流基金トロント日本文化センター、在カナダ日本国大使館、プーチコーブファンデーション、ニュイブロンシュ(2006,2007)、六本木ヒルズクラブ、森美術館、京都芸術センター、ワグナー大学ギャラリー、SVAギャラリー、ソウルオークション、在日本カナダ大使館内高円宮殿下記念ギャラリー、北九州市立美術館アネックス、セゾンアートプログラム/セゾン現代美術館、テート東京レジデンシーなどがある。
その他の活動に、大地プロジェクト共同ディレクター、遠足プロジェクトキュレーター、女川アートシーズン実行委員、明日:アーティストフォージャパン共同ディレクター、元アートバウンド大使 、元日系文化会館内現代美術館プログラミングディレクター、元にほんごアートコンテスト実行委員長、元JAVAリーダーなど、アートを媒体としたコミュニティーの活性化に取り組んでいる。 カナダでのレプレゼンテーションは、クリストファーカッツギャラリー(www.cuttsgallery.com)、 著書に「こどもの絵(一茎書房)」がある。
www.daisuketakeya.com





