カナダでジャパンクオリティを追求する「ZEN」が新たに自家製生麺とだしにこだわった「讃岐うどん」店をオープン
トロント郊外、マーカムにある寿司と割烹を提供する「ZEN Japanese Restaurant」は、トロントの寿司と和食のレベルを高めてきた日本食レストランの一つだ。寿司は日本の鮮魚はもちろん米や酢、海苔にまでこだわりを持つほか、日本で長年修行を積んだ経験ある職人が生み出す割烹はアップマーケット層を中心に多くの日本食ファンを魅了している。
待望の新店舗は「讃岐うどん」
日本の食材にこだわり、日本の味にこだわってきた同店が新しく手がけた日本食レストランは、「うどん」だ。
オーナーの柏原清一さんは、多くの人になるべく気軽に日本の素材と質にこだわった食事を楽しんでもらいたいと考え、「うどん」店のオープンを長年にわたり構想してきたという。「寿司と割烹を提供するマーカムのお店もそうですが、本物にこだわることを信条としています。とにかく美味しいものを作ることをこれまで追求してきたので、この「讃岐うどん」のお店でも日本の食材、味、クオリティにこだわっていきたいと考えています」と語る。
讃岐産の小麦から作る自家製の「生麺」
素材にこだわるという同店の麺のもとになる小麦は本場香川県の讃岐市から輸入している。その小麦と選び抜かれた塩と軟水によって麺が作られていく。柏原オーナーシェフは、美味しいうどんのために最高の麺を用意したくカナダ、オーストラリア、日本それぞれの小麦を研究し、試食を重ねたという。
「色々試しましたが、やはりうどんの魅力である小麦の風味や旨味が一番引き立つのは日本の小麦でした。水も軟水にこだわりました。麺は冷凍せず、毎日新鮮な生麺を提供すべく、お客様の目の前で用意している姿もご覧いただけるオープンキッチンにしています」と語る柏原さんだが、今でも常に麺の太さや茹で時間などを研究しているという。
化学調味料を一切使用しない 「だし」
もう一つの注目は「だし」だ。いりこ・昆布・鰹節など自然の素材からのみで「だし」を作り上げている。化学調味料は一切使用せず、天然成分のみで勝負することにより味はもちろんだが、簡単に真似はできないこだわりこそが多くの人に支持される秘訣なのだろう。ちなみになんと、一日あたり何十キロ!という大量の素材を使って職人の腕でダシが作られているという。
柏原さんは、そのこだわりについて、「カナダのお客様も年々ヘルシー志向になってきていることは間違いないです。私どものお店は立地的にも中国人の方が多いですが、日本によく行き、美味しいものや質の高い食事を召し上がられて、昔と比べても圧倒的に味の違いが分かってきています。美味しいとは何か、本物とは何かという期待に応えるためにも味の基本となる「だし」は、和食のプロによって天然成分のみで作り上げています」と教えてくれた。
強みは和食のプロである「職人」
柏原さんのもとでは和食の世界で修行・経験を積んだ職人たちが腕をふるっている。「讃岐うどん」店でもエグゼクティブシェフの佐藤氏を中心に、数多くの職人が持ち場についている。
「麺の太さも温かいうどん、冷たいうどんによって太さを変えています。「だし」も天然成分のみにこだわっていますが、ただ煮込んで旨みを抽出すれば良いわけではありません。やはりそこは長年経験を積んできた職人の腕によって最高の麺やだしが毎日作られるわけです。」
編集部談
店内に入った瞬間からほのかに感じる「だし」の香りが食欲をそそる。カナダにあるレストランで食べるうどんは大部分が冷凍麺ということは周知の事実だ。冷凍麺もグレードが色々あり、モチモチシコシコしているが、小麦の旨味や香りを感じることはできない。
一方、「ZEN」のうどんはまず麺に小麦の風味やコクを感じることができる。口に入れるとコシのある麺で生麺らしい心地よい食感が味わえる。味わい深い「だし」と調和して喉ごしの良さを演出してくれる。
麺の歯ごたえや喉ごしをしっかり感じたい人は、「冷たい」うどんメニューをおすすめする。
すでに週末は300人もの人で賑わいを見せる同店。ピーク時は行列も覚悟の人気店だが、日本人の皆さんにこそ素材にこだわり、本物の日本食を追求する職人たちが作る「うどん」を是非とも賞味いただきたい。
ZEN SANUKI UDON
3720 Midland Ave. unit 113-114, Scarborough
416-881-8899
zensanukiudon.com
HOURS:
Tuesday – Saturday
Lunch 11:30am-2:30pm.
Dinner 5:30pm-10:00pm.
Sunday & Monday CLOSED.