【新連載】こだわりは日本以上『Zen Sanuki Udon』カナダでも「変わらない」日本の味を|店の顔
添加物を一切使わず自然の素材のみでとるこだわりのスープとさぬき市から仕入れた製粉による自家製生麺で、オープン以来多く人々の舌を魅了し続けている『Zen Sanuki Udon』。昨年の7月のオープン以来、たくさんの人で賑わいを見せている。今回は、現場で腕を振るわれているふたりの職人、関さんと石井さんにお話を伺った。
ーおふたりの経歴やZenで働く経緯を教えてください。
関: 高校を卒業して、調理師として最初はホテルで働いていました。それから日本料理屋の「つきじ植むら」と「うかい亭」で数年、その後は伊勢丹のデパ地下で販売されている、ミシュラン三ツ星シェフがプロデュースするお弁当屋さんで、2年ほど工場長を勤めました。Zen Japanese Restaurantの佐藤料理長とは、うかい亭で働いていた頃に出会いました。2018年の1月から寿司割烹のお店で働き始めて、昨年9月にこちらの店舗に移りました。
石井: 高校を卒業して、その年に、英語を勉強するためにトロントに学生ビザで来ていました。その後はワーホリビザ、ワーキングビザへと切替えて約6年間、ダウンタウンにあった日本料理屋で働きました。Zenの柏原オーナーとは、その時に職場で知り合いました。それから日本へ帰国し、大阪の日本料理屋で1年ほど働いていましたが、調理師を辞めて家業を継ぎました。独立して20年ほど働きましたが、2016年に柏原オーナーと再会してトロントに来ないかと誘いを受け、2018年の9月から大阪の梅田にある「うどん棒」で修行し、7月のオープンに合わせて、昨年5月にカナダに渡りました。
ーだしと麺についてのこだわり、聞かせてください。
関: 添加物は一切なしのだしは、日本でもきちんとした和食のお店にいかないとなかなか味わえないと思います。いりこ、昆布、鰹節を大量に使い出汁をとります。
石井: 麺は、人気うどん屋で学びました。日本とカナダとでは、水や気候など条件に違いはあるものの、できるだけ忠実に、讃岐の味を再現できるように努めています。
関: 麺もスープもそれぞれ和食の手法に忠実ですが、この地の人たちに合わせるというのが必要だと思います。その工夫こそがカナダや様々な人種の方々に受け入れられていくものを考えています。
和食の手法で職人が作り上げるうどんと一品料理
ーうどん以外にも、提供している食材の仕込みにもこだわられているんですよね。
関: そうですね、シグニチャーディッシュである「豚の角煮」は蒸し煮で、おからと一緒に3時間くらい蒸して、だしを作り、2時間ほどかけて染み込ませます。トンカツの豚は「三元豚」を使用しています。鴨つけの鴨も、低温調理の手法を取り入れています。牛タンは、長い時間蒸して柔らかくし味付けをします。期間限定で提供した「牛すじ」は、和牛のスジで、寿司割烹のZenで使用する和牛ステーキのお肉なのでもともと希少なのですが、少しずつストックして作っています。
当店のアペタイザーは、素材も作り方も寿司割烹のZenと同じです。あちらはコース料理となりますが、ここでは一品ずつ気軽に食べてもらうことが可能です。ここで美味しいと感じていただけたら記念日などにZenの懐石コースに行かれるのも良いと思います。
ーオープンして数ヶ月が過ぎました。今後どのようなお店にしていきたいですか?
石井: 来店いただく方の嬉しそうな顔を見たい、それに尽きます。お客様が幸せになってくれれば、僕らも幸せになれるという信念です。そのために、最良の料理とサービスを提供したいと思っております。まだまだ手探りですが、進化と変化をしていかないとと感じています。
ーオススメの1品は?
関: 鴨南蛮が好きですね。すごく美味しいと思います。
石井: 肉三昧カレーうどんでしょうか。ボリュームたっぷりで、食べて欲しいものが全部詰まっています。
ー読者へ一言!
石井: 讃岐のうどんを食べたことある人もない人も、ここトロントでは一番美味しいうどんメニューを作っていると自信がありますので、是非ご賞味ください。
関: いつでも変わらない味を和食職人が仕込んでいます。美味しいうどんを食べたくなったら、是非来てください。
Zen Sanuki Udon
3720 Midland Ave.
unit 113-114, Scarborough
416-881-8899
zensanukiudon.com