【特別インタビュー】前National Ballet of Canadaプリンシパル ダンサー / Huston Ballet プリンシパル Skylar Campbellさん|オリンピック選手もサポートするカナダ公認マッサージ・セラピストが教える身体と健康【第115回】
2021年までNational Ballet of Canadaに在籍したプリンシパルダンサーSkylar Campbell。現在はHuston Balletでプリンシパルを務めるSkylarにバレエに関する様々な質問に答えてもらいました。
ーバレエ団におけるプリンシパルダンサーというポジションは、あなたにとってゴールでしたか?スタートラインでしたか?
プリンシパルになれたことは光栄であり、目標のランクに辿り着いたことには間違いありませんが、私にとってバレエダンサーとして目指す地点に終わりはないので、現在もより自分を向上させて、より高いランクに行けるように努力を続けています。
ーバレエの演目を学ぶのにどのくらいの時間を必要としますか?その後演じる準備にどのくらいかかりますか?
通常、私たちバレエダンサーは3~4の違ったバレエ演目のリハーサルを3ヶ月かけてステージに向けて同時に学んでいきます。正確に、バレエの動きをマスターするのに必要な時間は分かりませんが、一般的に1分の振り付けを理解して踊るのに1時間くらいかかるイメージです。
ーどのようににバレエの演技を学ぶのですか?
特別な方法はありませんが、バレエカンパニーから演目に求められるストーリーや演技をステップを踏んで説明される中で作り上げていくイメージです。特別演技指導のクラスなどはないのです。強いていえば、自分の感覚や経験、自分のキャラクターなどを、それぞれのダンスアートに反映させていくのが私なりの方法です。それが私が感じる最も自然な流れです。
ーキャストされた役柄が自分のパーソナリティと大きく異なる場合はどうしますか?
そのような役をキャスティングされた時は自分を成長させる機会だと考えています。難しい役にチャレンジするによって、今まだ表現出来ていない自分のアートを開花させてくれると思っています。
Alice’s Adventures in Wonderlandの王子様的なKnaveをキャストされた時は、今までどちらかというと飛んだり跳ねたりのフィジカルが要求されたり、コミカルな個性的な役などをキャストされることが多かった私には大きな転換点でしたが、ステージで踊る全ての瞬間においてこの新しい役を十分味わいながら演じて自分のアートを広げられたと思えた機会でした。
ー自分のパーソナリティに似た役がやりやすいですか?
もちろん自分に似た役はより自然で楽しく楽に役に没頭できるのは事実です。でも私は常に新しいチャレンジを与えられるのは大歓迎なので、お話したように自分を成長させる機会と捉えてとても興奮を覚えます。
ー主役以外のキャストされた時は、プリンシパルダンサーとしては自分が主役をやりたかったなどの思いが強いですか?
私たちバレエの世界において、他のダンサーと自分を比較するのは非常に難しいです。私たちは毎日8時間、自分と向き合って練習を続けて向上を目指しているので、もちろんプリンシパルとしてキャストされたいと考えるのは正直な気持ちです。
ーポイントシューズで踊るバレリーナを見て羨ましいと思った事ありますか?実際にポイントシューズを履いて試したことはありますか?
興味本位で試したことはあります。しかし、もう一度試そうと思ったことはありません。ポイントシューズを試して以後、女性バレリーナの凄さを実感して最大級の敬意を払っています。ポイントシューズで踊るのは想像を超える身体的負担を伴うことを身をもって感じたからです。
ーダンスをしていない時はどの様に過ごしていますか?
有意義な時間を、私の大切な妻や友人そして犬と一緒に過ごすようにしています。
ーバレエダンサーになるために何かを犠牲にしましたか?
大学に進学する時間はありませんでした。でも、大学は今しか出来ないバレエダンサーのキャリアの後でも遅くないと考えています。
ーバレエダンサーを目指す人にお勧めのアクティビティはなんですか?
ヨガ、ピラティス、ストレングスエクササイズなどクロストレーニングがダンサーに向いていると思います。
ーウエイトトレーニングなどで体を強く大きくし過ぎるのはバレエダンスにマイナスと考えますか?
人それぞれ状況にもよると思いますが、バランスの良さは必要だと考えます。
ーバレエダンサーとして理想の体型とは?
天から与えられた体を得られただけで幸せなことだと考えているので、私にとって特別に理想的な体というのはありません。
ー体のコンディショニングにおいて一番難しい点は?
Consistency!
ープリンシパルダンサーであることの難しさはなんですか?
自分の可能な限り、最高のパフォーマンスを常に求められることです。
ー私のクリニックを長年訪れる理由は?
青嶋先生(Tad)は、体の付き合い方、手入れの仕方について自分の知らないアイディアで教えてくれます。言うなれば、監視人みたいな感じで自分が気がついていない問題を未然に防ぐための知識をTadの30年の経験から教えてくれているので助かってます。
Tadのシンプルな体の見極め方や改善方法は、他にないユニークな方法なので定期的に訪れるようにしています。Tadの教えである、痛みのあるポイントはいつも問題点とは限らず、痛みの原因となるポイントを見つけて解決する事が大切!と長年うるさく指導を受けています。