オランダで出会った、日本人コミュニティーのかたち|カナダ新移住者とトロント日系コミュニティー
今回は少しトロントから離れます。娘がオランダ・ロッテルダムで仕事をしており、このたび会社の近くに引っ越しをしたため、その手伝いに行ってきました。
滞在中に少し時間ができたので、日本人が運営する財団法人「JACOP(Stichting Japanese Communities Platform/通称ヤーコプ)」を訪ねるため、車で約1時間かけてアムステルダム方面まで行ってみました。
SABOに広がる温もり世代をつなぐ、日常の居場所
JACOPに着くと、コミュニティーマネージメント担当の鈴木ヒデさんが建物の前で迎えてくださり、館内を案内してくださいました。
1階には「SABO」と呼ばれるスペースがあり、どこか懐かしさを感じる、かわいらしいお茶屋さんのような、昔ながらの喫茶店のような雰囲気が広がっていました。うどんやカレーを楽しんだり、お茶を飲みながらゆっくり過ごしたりできる、温かな団らんの場となっていました。日本人だけでなく、地元の方々も気軽に立ち寄れるような、とても開かれた空間です。
2階もあり、訪れた日は子供のクラスが開かれていました。そこでは、就学前の子どもをもつ親子が集まり、保育士さんと一緒に歌を歌ったり、子育てについて気軽に話し合ったりしながら、仲間づくりを目的とした交流の場が設けられていました。
そのクラスの後には、オランダ在住歴の長い日本人シニアの方々によるダンスクラスが続き、ラジオ体操や、オランダの踊りを楽しまれていました。参加人数はそれぞれ10人~15人ほどで、子供のクラスは子供を含めて40人近くになることもあるそうです。JACOPのミッションである、日本人が孤立せず、お互いに助け合いながら安心してつながれる居場所づくりが、実際にしっかりと根づいていることを肌で感じました。
JACOPが育むつながり国境を越えて続く共助と友好
JACOPは、準備委員会を経て、2021年に5人の運営委員によって正式に立ち上げられた団体です。現在も、準備段階から関わってきた日系団体や日本人の方々に支えられながら、当初からの目的であった「日本人が暮らしやすいコミュニティーづくり」という思いが、着実に形となって受け継がれています。そして、その必要性は年々高まっているそうで、今後は横のつながりをさらに広げながら、コミュニティー全体の支え合いをいっそう強めていくことが課題だそうです。
鈴木さんは、JACOPの活動を通して、ペリー来航以来の日蘭の友好関係が、今なお生きていることを実感する場面が少なくないと話してくださいました。
世界では国と国との対立や戦争、不和が絶えない今だからこそ、2028年、2029年の日加修好100周年を目前に控える私たちにとっても、あらためて日本とカナダ、そして日本とオランダのように、国と国とが友好と平和を保ってきたことに感謝し、その意味を振り返るよい機会になるのかもしれません。
今回の訪問を通して、人と人、地域と地域、そして国と国とのつながりの大切さを、あらためて感じることができました。

文章=原あんず
トロント都道府県人会・連合会会長
全カナダ日系人協会(NAJC)
新移住者委員会(JNIC)委員長






