ナイアガラ地区の老舗ワイナリー 「Chateau des Charmess」|カナダワインすべてのみたいあじわいたい第5回
今回ご紹介するのはナイアガラ地区の老舗ワイナリー「Chateau des Charmes」です。私がかつて働いていたワイナリーでもあります。Chateau des Charmesは、1978年にポール・ボスク氏によって創業、現在のカナダワインの礎を築いたと言っても過言ではないワイナリーです。ボスク家のルーツはフランス、アルザス地方で代々ワイン造りに携わる家系で、その5代目当主としてアルジェリアで生まれました。しかし、アルジェリア革命によりフランス系住民の強制国外退去命令により国を追われ、一旦はフランス本国へ戻るものの、フランスもアルジェリアからの多くの帰還者で混乱しており、親類をつてにカナダ、ケベック州へ移住してきました。当時カナダではワイン用のブドウは育たないと考えられてましたが、ナイアガラ地区に移り住み、区画によっては育てられる環境、気候がある事に気づきました。そして、カナダで初めて、ヨーロッパで栽培されているワイン用のブドウ品種を商業目的として栽培しました。それ以降カナダでも本格的な質の高いワインの生産が始まりました。今では息子である、ポール・ボスクJR氏がワイナリーの経営を任されており、スパークリングワインから白、赤、アイスワインと幅広く生産しております。
1本目のお勧めは、白ワインのAligote 2019($15.95)アリゴテ。アリゴテ種はフランスのブルゴーニュ地方の一部でしか生産されていない珍しい品種で、カナダでもアリゴテを生産しているのはChateau des Charmesだけです。辛口の非常にさっぱりとした、キレのある酸味が特徴で、青リンゴや柑橘系の味わいです。サラダやシーフード、オイスターなどと相性抜群です。
2本目は、Gamay Noir Droit 2018($19.95)という赤ワインです。ガメイ種の突然変異種がChateau des Charmesの畑で偶然発見され、世界でもここでしか栽培できない品種です。ガメイ種というとフランスのボジョレー地区で広く生産されている品種で、一般的には軽いさっぱりとした飲み口のワインなのですが、こちらのGamay Noir Droitは、ミディアムボティーのチェリー風味のあるフルーティーな辛口で、ちょっとスパイシーな特徴があります。バーベキューやハンバーガーなどに合わせたいワインです。
トロント方面からお越しの場合、QEWをGlendale Ave.で降り、York Rd.を右折、フランスのお城のような建物が目印です。
Chateau des Charmes: Chateudescharmes.com