留学カウンセラーが説く留学の心得 Vol.5
East-Westカナダ留学センタートロントオフィス 高林紘子
前回は留学の準備で最も要となる学校決めについて、できるだけ渡航前に決めてしまうほうがよいでしょう、というお話をしました。長期間学校に通うために学生ビザで渡航をお考えの方はいずれにしても一番の目的が英語習得やスキルアップのための勉強になるはずですので、学校に行く事が決まっていると思います。ただ、ワーキングホリデープログラムを利用しての渡航を計画されている方の場合は、渡航の目的は必ずしも語学力習得やスキルアップの勉強と言うわけではありません。最近では、以前にオーストラリアなど他の国でワーホリを体験してきた方やアメリカで短期留学を経験した事があると言った方が、カナダで働いて色々な体験をしてみたい、という理由で渡航をするケースも多くなっています。そういった方の多くが口を揃えておっしゃるのが、「予算がないので学校には行かず、すぐに仕事を見つける予定です」と言ったことです。ただ、以前に留学経験があって英語にもそれほど困らないような方でも、現実は理想通りには行かないものなのです。
準備編 5 : 予算はできるだけ余裕を持ち、学校には少しでも行けるようにプランを立てましょう。
最近はワーホリビザは「観光しながら学校や働く体験をすることも可能なビザ」と言う感覚ではなく、「カナダで働きに行くためのビザ」という感覚で捉えているような方が多くなっているように思います。そのため、現地で働けるから渡航前にそれほど予算を準備する必要がない、と勘違いをして来られる方があとを絶ちません。しかし、いざ現地に来て見るといきなり仕事を見つけることがどんなに困難か、ましてや想い描いていた理想の仕事を見つけるなどと言う事はまず不可能という事を最初に思い知らされる事になります。どんなに英語ができようが、現地の土地勘や知識もなく、コネクションやネットワークもなければ、まともに現地の人を相手に仕事をするなどといったことは困難以外の何物でもありません。現地に来て最初は少しでも学校に行く事のメリットとしては、英語力のブラッシュアップの意味以外にも、その土地のライフスタイルに慣れることや友達などのネットワークや仲間を作ること、現地生活や就労の為に必要な知識をつけると言う意味で、学校は大いに役立つわけです。学校に行く事で、異国からの友達もできますし、同じワーホリの友達同士で情報交換もしやすい環境がそこにあるわけです。そしてカナダ人(現地の人)と知り合いを作れる最も簡単な場所でもあるのです(学校スタッフや先生は現地の人ですよ!!)。また一言で学校と言っても、現地には色々と特徴のあるコースを提供している学校がたくさんあり、レベルも初級から上級まで様々に異なる内容を勉強できるようになっているわけです。どんな目的の人でも、どんなレベルの人でも、異国から渡航している人にはどこかの学校に行くプラス点は必ずあります。現地で学校に通うことに対してあまり前向きではない方や、学校には行きたいけれど予算がないので最初は働いてお金を貯めてから学校に行く、と言う方が多くなっていますが、一生に1度きりのカナダでのワーキングホリデーを後悔なく充実させる為に、そして理想に描いているワーホリ体験に限りなく近いものをつかむ為にも、もう一度カナダ渡航に関してじっくりとその目的を吟味し、予算のせいでいくつかの目標を断念しなくてはならないというような事態をさけるためにも、あらかじめ費用は余裕を持ってしっかりと現実的な計画を立てていけるようにしていきましょう。
高林紘子
East-Westカナダ留学センタートロントオフィス日本マーケットマネジャー。
静岡県出身。2001年語学留学でトロントに渡来。語学留学とビジネススクール、ワーホリなどを経たのち、ジョージブラウンカレッジに入学。貿易とビジネスマネージメントを学び成績上位者Dean’ s Honour のタイトルを得てPost-Graduate Diplomaを取得。カレッジ卒業後、現職に就き就労ビザを経て永住権に至る。