H.I.Sオススメ オトナの旅。イエローナイフ
イエローナイフ。北極圏からはおよそ400km南。オーロラベルトのほぼ真下に位置しているため、年間を通してオーロラの出現率が高い。
オーロラは、太陽から吹き寄せた太陽風(プラズマ粒子)が地球の大気とぶつかった時に生じる現象である。太陽から放出され、地球まで辿り着いたプラズマは、地球の磁場に運ばれ極地に集められる。そのため極地でしかオーロラを見ることができないのだ。大気圏に突入したプラズマは、大気中にある原子と衝突すると励起状態になる。励起状態とは、原子や分子がエネルギーを持った状態のことで、大気の原子が衝突によって、プラズマから運動エネルギーを与えられることで起きる。この励起状態が収まり、元の状態に戻ろうとする際に、電磁波が放出され光を発する。暗い夜空では、色鮮やかに輝くオーロラだが、その明るさは満月時の月明かりほどしかない。太陽活動は11年周期で変動するため、オーロラの活動もそれに合わせて、活動が活発になる時期が存在する。
オーロラの名前は、ローマ神話に登場する女神アウロラ(Aurora)に由来すると言われる。
オーロラの鑑賞のベストシーズンはいつなのか?という質問を
よく耳にする。オーロラは1年中イエローナイフの夜空を飾っている。但し、5月から7月までの夏季は白夜に近く、深夜11時過ぎに太陽が沈む。日没後も明るいため、暗い時間が少なく、オーロラ観測に適していない。そして10月は雨や雪が多く、オーロラが出現しても雲に妨げられてしまうため、地上からほとんど見ることができない。
よって大きくわけて夏オーロラ(8月中旬−9月末)冬オーロラ(11月中旬−3月末)がベストシーズンである。夏のオーロラは防寒着不要で、オーロラ出現するのを待つ。8月の平均最低気温は10.3度。湖面にうつる逆さオーロラなどを楽しむこともできる。キャメロン滝ハイキングやボートクルーズをしたり夏のアクティビティが楽しめる。夏のカナディアンロッキーと組み合わせる方も多い。
冬のオーロラは極寒の中ではあるが、冬のアクティビティが充実している。犬ぞり体験や市内観光では凍った湖の上が公道になるアイスロード体験、スノーモービルなど日本では体験できないマイナス30度の世界を逆に楽しむことができる。
神秘的な現象、まるで夏と冬の限られたシーズンに女神アウロラ(Aurora)は出現し、待ち構えているようにみえる。