コロナウイルス感染拡大前後の賃貸マーケットの変化について|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第32回 】
今回は、コロナウイルス感染拡大前後の賃貸マーケットの変化と関連記事についてご紹介したいと思います。
GTAでの賃料は減少
コロナウイルス感染拡大により、移住者や国際学生など外からトロントに来る人々が減少し、またトロント市内に住む人々の住み替えニーズも例年より停滞化したことから、ここ数か月の賃貸マーケットは大きな影響を受けています。さらに2021年の賃料アップが0%と発表されたことは、さらに今後のマーケットニーズの冷え込みを招く要因にもなっています。
図1は、Torontorentals.ca発表による1月~8月にかけてのGTAにおける平均賃料(全ての物件種別を含む)です。1月から継続的に賃料低下を続け、8月時点での平均賃料は2185ドルと、前年に比べて10・8%の減少となっています。また4月以降の賃料は前年同月比に比べていずれも減少となっています。
2019年と2020年の賃料をベッドルームタイプ別にみると(図2)、スタジオタイプ、1BRタイプ、2BRタイプの物件はいずれも継続して賃料低下を続け、1BRと2BRは2019年の最高値に比べて200ドルほど賃料が低下しています。
コロナウイルス・パンデミック前後の比較
図3はダウンタウンのコンドミニアムにおける、パンデミック前後の平均賃料を比較した図です。左側がパンデミック前、右側がパンデミック後の平均賃料です。赤色・オレンジ色が賃料の高いエリアですが、パンデミック後は色が変わり、黄緑色・緑色の賃料が低めのエリアが増えています。
図3と関連し、今年と昨年の7、8月の賃料を比較したのが図4です。ダウンタウンの主要エリア11か所の内、8つのエリアにおいて、2桁台での賃料減少となっています。ウォーターフロントエリアのコンドミニアムは16%賃料がダウンしています。
まとめ
現在、トロント市内では1万件ものコンドミニアムが賃貸募集されているといわれています。在宅勤務が増え、郊外の戸建てなどは賃貸ニーズが増えた一方、ダウンタウンでは賃貸募集に出して2~3か月経っても借手が決まらないケースも多くあります。供給過多で賃料減少している今は、まさに借手市場です。これまでは言えなかったような要望もきちんと賃料を払ってくれるテナントならば、大家は譲歩・応諾するケースも増えています。
来年は賃料据え置きであることを鑑みますと、昨年またはその前に高額賃料を支払った方にとって、同じ賃料ならより広いお部屋へ、同じサイズならより手頃な賃料の物件が見つかる可能性も高く、今は住み替えのチャンスといえるかもしれません!
弊社では、新規賃貸、お住み替えなど各種ご相談を承っております。お部屋探しに関する疑問・質問、ご要望についてお気軽にご相談ください。