入居時及び入居中の留意点|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第97回】
今春よりトロントに着任され、新しいお部屋に入居される方も多いと思います。今回は、入居時及び入居中の留意点についてお話したいと思います。
入居時の留意点
◎オーナー側との確認(=入居時点検)
トロントでは「AS IS(現状のまま)」が基本です。契約書に特に記載しなかった事項について、追加でオーナー側に確認したり依頼をするのは入居時が一番良いタイミングとなります。特に日本のように「完璧な状態」で部屋を引き渡す習慣とは大きく異なりますのと、敷金がないことから、入居時の状態について双方の認識を合わせておくことは退去時のトラブルを避けるためにとても大事です。
~入居時点検のポイント~
入居時点検は鍵を受領する当日に確認を行うのが基本です。オーナーまたはオーナーエージェントが同席している場合、その場でチェックして不具合を見つけたら一緒に確認します。洗濯機や食洗機など確認に時間がかかるものや、鍵受領時には気がつかなかったことは入居後できれば3日以内、遅くても1週間以内にはオーナー側へ伝えましょう。
・家電の動作確認
洗濯機・乾燥機、冷蔵庫、食洗機、電子レンジ、オーブン、調理台はきちんと動くか?使い方はわかるか?
・設備のチェック
玄関・バルコニー・各部屋のドアは開閉できるか?シャワーブースのドアや窓の開閉に問題はないか?カーテン類はきちんと開閉できるか?クローゼットの棚はぐらついていないか?トイレホルダーやタオルホルダーはしっかりしているか?
・お湯や照明のチェック
キッチンやバスルームのお湯はきちんと出るか?バスルームのシャワーと蛇口の切替えに問題はないか?照明器具の電球はすべてついているか?コンセントは電源が通っているか?
・空調設備の確認
部屋に設置された温度調節器はどうやって使用するか?空調のフィルターはきれいなものに交換されているか?今後は誰がいつフィルター交換するのか?
・契約条件の履行確認
プロフェッショナルクリーニングの実施や家具の撤去、カーテンの取付けなど、事前に契約書にて記載、確認された事項が完了しているか?
・室内の汚れやキズについて相互確認
フローリングに目立ったキズはないか?壁などに目立った汚れはないか?
・追加の要望(ある場合)
シャワーヘッドを固定式からノズル式に変更したいが良いか?契約時には記載しなかったが部屋にある家具を撤去してもらえないか?
・郵便箱やごみ捨て方法の確認
入居時点検でチェックした内容については、①修理をお願いしたい事項、②修理は不要だが認識しておいてもらいたい事項、の2つに分けてオーナーに写真や動画と共に伝えておくことをお勧めします。
◎建物側との確認(コンドミニアムの場合)
コンドミニアムの場合、次の事項についてコンシェルジュやマネジメントオフィスと確認、手続きが必要です。
・テナント登録
マネジメントオフィスに賃貸契約書を送付しテナント登録書類を取得したら、記入し返送します。テナント登録書類とともにテナント保険の提出や写真の提出を求められることもあります。
・エレベーター予約(トラック搬入の場合)
引っ越し荷物やIKEAなどによる家具配送などトラックの搬入がある場合、マネジメントオフィスやコンシェルジュに確認して事前にエレベーターの予約が必要です。エレベーターの予約は曜日や時間帯が制限されていることもありますので、自分の希望する搬入日時と合致するか早めに確認し、予約しておくことをお勧めします。
・ゴミの出し方
大きな段ボールなど各フロアのダストシューターには入らないゴミの捨て方の確認。
・アメニティ施設
ジムやプール、パーティルームなど各アメニティ設備の使用可能時間帯や予約方法(必要時)について確認。
入居中の留意点
◎毎月の賃料支払い
オーナー側と毎月の賃料の支払い方法は日付指定の小切手またはEトランスファーによる支払いなのか?について確認します。もし会社からオーナー宛てに支払う場合には、オーナーの銀行口座および連絡先を確認します。
原則的に賃貸契約書に記載された賃料支払い方法に準じますが、もし月賃料の支払い方法の変更を希望する場合には、契約期間の途中であってもオーナーに相談することはできます。また税務申告の際には、テナント(借主)はオーナー(貸主)側へ支払った賃料についてレシート(受領書)の発行と送付を求めることができます。
◎光熱費
入居前にアカウントをセットアップした光熱費会社から、通常入居後2~6週間の間に最初の請求書が届きます。請求書はEメールまたは封書のどちらもありますが、電子請求書(E-Bill)に途中から変更することもできます。もし入居後8週間程度経っても最初の請求書が届かない場合には、光熱費会社に照会した方が良いかと思います。
◎テナント保険
入居前に付保申請したテナント保険の証書が入居後に新居宛てに郵便で届きますので、受領したら内容を確認し保管してください。もし賃貸契約期間中に住所を変更する場合、テナント保険の住所変更が必要ですのでご留意ください。
◎インターネット
新築コンドミニアムなどは建物が包括契約(Bulk Package)でROGERSやBELLなどの通信会社と提携しインターネットに加入しているケースもあります。まずはマネジメントオフィスにBulkによるインターネットはあるか?と確認してみてください。包括契約がある場合、テナント名義でアカウントをセットアップするか、オーナー名義でアカウントをセットアップするか、オーナーと確認が必要です。包括契約がなく自由に自分でインターネットを契約する場合、自分が希望するプロバイダーがその建物で設置が可能かどうか、事前に必ずご確認ください。
◎修理
家電など部屋の専有部分に関する修理はオーナー、玄関のドアや窓ガラスの外側、エアコンなど建物の共有部分に関する修理はマネジメントオフィスに連絡することになります。
不具合や修理の必要が生じたら、まずオーナー側へ連絡し、状況を伝えてください。自分で勝手に修理業者を手配すると、修理内容や費用について後日オーナーとトラブルになる可能性もありますので、必ずオーナーに修理を手配してもらうか、修理手配について確認してください。不具合や修理依頼についてオーナーへの連絡が遅くなれば、問題解決が難しくなったり後々のオーナーとのトラブルを生じかねませんので早めの連絡が大事です。例えば夜中に上階から水漏れがあった場合、コンドミニアムではまずコンシェルジュに相談し部屋に見に来てもらってください。夜中でオーナーに電話ができない場合にはメールで一報をいれておくことをお勧めします。
修理の必要が生じた場合、事前にオーナーと費用金額および費用負担者についてしっかりと確認しておきます。経年劣化による修理など、明らかなテナント責任による修理とは異なるケースにおいては、オーナーとトラブルになるケースも見受けられます。経年劣化による修理に対しては1件につき100ドルまでをテナントが負担するなどと明記された契約書も増えてきましたが、100%の費用負担を求められた場合にはいつから不具合だったのか、自分の責任ではないことを明確に粘り強く伝えること、納得のいく場合には折り合いをつけることも大事です。経年劣化やテナント責任による修理について、保険会社が介入できるケースとできないケースがありますのでご自身の保険会社(保険ブローカー会社)に相談してご確認ください。
入居時や入居中にオーナーと大きなトラブルが起きないよう、必要の際にはこまめにコミュニケーションをとるようにしましょう!
※弊社では、入居時ならび入居中のサポート等も承っております。売買、賃貸、管理など不動産に関するお問合せについていつでもお気軽にご相談ください。






