着物と茶道|お茶コラム
茶道をしていると着物を着る機会が増えます。6月にはいると単衣(ひとえ)の着物といって、裏地のないひとえ仕立ての着物をきます。(9月も単衣)10月から5月までは袷(あわせ)。7月と8月は薄物の着物を着用するというマナーがあります。
私のお茶の師匠は新照子(新宗楓)先生でした。残念ながら昨年の12月、96歳のお誕生日を目前に旅立たれました。私がお稽古をはじめてまだ間もない頃、私が着ていった着物に対して、注意して下さったことがあります。その当時、私がお稽古へ着ていった着物は、「訪問着」や「付け下げ」といって、格の高い着物だったのです。母や親戚のお下がりの着物で、地味な色合いだったので、控えめにしていたつもりだったのですが、お茶席では訪問着は準礼服として、フォーマルな場に相応しい着物で、普段のお稽古には相応しい着物ではなかったのです。茶道を通し、立場をわきまえて着物を着ることで、相手に対しての配慮を示すことを学びました。
客として招かれる場合、主催者である亭主よりも格上の着物にならないよう、招かれた人は派手な色は避け、落ち着いた色合いを選びます。無難な着物は、柄のないシンプルな「色無地」です。あれから15年近くたち、私の着物タンスは「色無地」が増えました。
とは言っても、ここはカナダですので、日本ほどは「着物の格」などを気にする人はいないのが正直なところです。
先月行われた日系文化会館の桜フェスでの桜茶会でも、裏千家トロントメンバーは、「着物の格」は気にせずに、「春を感じられるような着物」をテーマとした着物を着て参加しました。お茶会を訪れた人々は、春色の着物を楽しんだようです。
エチケットをわきまえ、それを心にとめておくことももちろん大切なことですが、お客様に季節感を感じてもらうことも、お茶会の素敵な要素だと私は思います。新先生も、私に注意してくださったあと、「本当のところ、私は貴方が何を着てもいいのよ。でもいつか日本のお茶会に行ったときに何も知らないであなたが恥かかないようにね」と言っておられました。今となっては懐かしい思い出です。
最後に、トロントで「着物」といえば、Salon de Tea + Kimono のプロポロ浩子さんです。様々な文化イベントでご活躍されているので、ご存知の方も多いと思います。着付けサービス、着物レンタル、春と秋の七五三の撮影会だけでなく、プライベートの着付け講座などを手掛けており、興味のあるかたは問い合わせされてみるのはいかがでしょうか。文化イベント、コンサート、入学式や卒業式、様々なシチュエーションで着物が華をそえてくれること、間違いないと思います。

吉田桃代
Tea&Herbal Association Canada公認ティーソムリエ日本茶アドバイザー
日本茶のオンラインストア「Momo Tea」とお茶団体「Nihoncha Canada」を運営。Momo Teaは2015年からトロントのお茶の祭典、Tea Festivalや、日系文化会館の季節のイベントを中心に出店。2023から日本茶の良さをカナダの人に広めたいという想いを込めて、日本茶と日本の文化に特化した「日本茶祭り」を主催。毎年11月第一日曜開催予定。






