アメリカ・シカゴ出張「Ramen・Izakaya Expo」|トロントの居酒屋風雲児【第45回】
紅葉が綺麗だなぁと思っていると、ハロウィンが終わり、サマータイムも終わり、今年も残すところあと2ヶ月となってしまいました。これからの季節はクリスマス、年末年始とバタバタしますが、残り2ヶ月の毎日を大切に過ごし、悔いのない2019年にしたいと思います。
先月、久しぶりにアメリカに出張で行ってきました。今回はシカゴで行われた「Ramen・Izakaya Expo」に参加するためでしたが、初めて訪れるシカゴはなかなか刺激的な街でした。ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ人口のシカゴは、アメリカで3番目に大きな都市で、冬は英語で「Windy City」、風の街と呼ばれるほど風が強くなり、トロントよりも厳しい冬だという噂です。
シカゴはミシガン湖の湖畔にダウンタウンが広がり、湖沿いの風景はどこかオンタリオ湖沿いのトロントと似ている印象を受けました。日本食レストランはトロントほどは多くないかなという印象でしたが、居酒屋よりもラーメン店の方が多かったように思います。またカナダではワーキングホリデーがあるので、日本食レストランでは日本人のスタッフを多く見かけますが、今回のシカゴでは日本食レストランでも日本人のスタッフを一人も見かけませんでした。しかし現地の方たちが一生懸命、日本食を作っている姿はとても印象的でした。
まさかの飛行機の遅延で、1日目のイベントに間に合わず、2日目に参加させていただく結果となりました。月曜日ということで来場者はあまりいなかったので、逆にゆっくりと見て回ることができて良かったのかなと前向きに捉え、色々なブースを覗かせてもらいました。正直思っていたほどイベントは大きくなかったですが、製麺会社や冷凍食品会社、最新の調理器具や器など色々と目を惹く商品があり、今後、使用してみたいなと思うものも沢山ありました。
やはり日本かアメリカの会社の方々が多く、カナダでも取引をされている会社の方は限られていたのが現実です。まだまだカナダには無い商品や機械が沢山あるので、もっともっと情報収拾をしないといけないなと実感しました。色々あった商品の中で、今回一番気になったのが、小型の餃子を包む機械でした。私たちの店ではたまに日替わりメニューで餃子やワンタン、焼売などを手作りで作っていますが、やはり大量に仕込むと包むだけでもかなりの時間がかかります。
正直、餃子は食材のコストは安いのですが、包むための人件費の方が多くかかってしまうため、多くの店で冷凍の既製品を使っているのが事実です。しかし、この機械を使えば1時間になんと1500個も作れてしまうという優れもので、この1台で何人分の仕事をするのかと考えるともの凄い機械です。しかし、お値段もかなりのもので、そこそこの中古車を買えるほどの価格でした。飲食店ではどこも人材の確保が厳しいと言われていますが、今後はこういった機械を導入することも人材問題の解消につながっていくのかもしれません。
またトロントではラーメン屋さんで焼き餃子を出している店は多くありませんが、この理由として焼き餃子は時間がかかり、技術も必要なために揚げ餃子として提供する店が多いのが事実です。しかし、この問題も自動で焼き上がりを教えてくれる機械があれば、誰でも簡単に綺麗な羽根つき餃子を焼くことが出来ます。こういった機械を導入する店がトロントでも増えれば美味しい焼き餃子がラーメンと一緒に食べれるんですけどね…餃子マシーン買おうかなぁ??
小笠原 克 Ogasawara Masaru
日本ではファッションブランドGapでアルバイトからマネージャーまで7年間勤務、新規店の立ち上げや日本売り上げNo.1店舗での管理職を経験し、2005年にワーキングホリデーでバンクーバーに渡加。ファッション業界からの転身となるが、調理師免許保持や両親の飲食関係の仕事の影響などもあり、大人気居酒屋Guuでワークビザを取得し男前店で副店長を務める。その後2009年トロントでのFC立ち上げ総責任者に任命されトロントへ。寒い冬でも毎日行列のできる大繁盛店となり、トロントの日本食パイオニアとなる。2014年にはKinkaFamily Inc.の副社長に就任し、居酒屋の他、ラーメン、寿司、焼き鳥などのブランドを管理、2015年10月末GuuとのFC契約終了とともに独立・起業。現在は世界で皆に愛される飲食店を開業できるようにと奮闘中。