トルドー首相の過去6年弱の任期期間中にトロントの不動産マーケットがどのように推移したかをおさらい|家を買いたい!数字で解説トロント不動産マーケット
住宅マーケット年別比較チャート
出典: TREB ※グラフはデタッチからコンドまで全てのタイプを含めたものであり、トロント市とその他GTAを含めた平均です。
2021年8月のTREB全域・全物件タイプの総取引数は8,596件となり、昨年同月の1万736件からマイナス19.9%の減少でした。新規リスティング数はマイナス43.0%、有効リスティング数もマイナス50.8%と売り出し物件数自体が大きく落ち込んでいます。
それでも全物件タイプの平均価格は107万911ドルと2020年8月の95万1219ドルからプラス12.6%の上昇となりました。夏のマーケットで動きは減っているものの、供給が大幅に落ちており価格を押し上げる要因となっていますね。平均売却日数はマイナス12.5%とスピードは昨年より若干速めです。
【物件タイプ別の平均価格】
の順に並んでいます。
バランスはまだまだ売り手マーケットに傾いていますね。
選挙では不動産が一番大きな焦点となっていますが、トルドー首相の過去6年弱の任期期間中にトロントの不動産マーケットがどのように推移したかおさらいをしてみましょう。
まず不動産価格は年平均プラス11%で上昇を続けています。それはドルで表すと年平均8万3000ドル上がっているという事です。問題はそれに対して家庭収入が上がっていないことです。現在のトロントでは10万ドル強の家庭収入があり、頭金を10万ドル出せるとしても、平均的な3BRの戸建てを購入することも無理でしょう。それだけのモーゲージを組むことが難しいのです。
トルドー氏が首相となった2015年の時点では十分に家を購入出来るレベルでした。つまり彼の任期中にそれだけ不動産に手が届きにくくなったことを意味しています。各政党も諸々政策案を出してはいますが、この傾向が急に変わる要素が見当たらず、若い世代を中心にトロントから近郊の街へ移り住む層は増え続けると思われます。