トロントの本屋さん2022年5月 「ジェンダー平等」
こんにちは!今月のトロントの本屋さんもバンクーバーから岩崎ゆかりがお送り致します。
5月のテーマは「ジェンダーギャップ、女性に関する」ことだそうです。
一昔前は生理の話を人前ですることが憚られ、悩んでいても相談し辛い雰囲気がありました。現在はSNSや動画で生理用品や性の情報を得られるようになりました。
いつもならイライラしない会話ややり取りが気に障る、自分でもコントロールできない感情の起伏を不安に思ったことはありませんか?松村圭子著『これってホルモンのしわざだったのね 女性ホルモンと上手に付き合うコツ』(PHP研究所)を読んで自分の体を知りもっと上手く付き合っていきましょう!婦人科医師の著者が女性ホルモンのことから婦人科系にまつわる悩みや女性の病気のことまで解説しています。
性別に関係なく人生いろいろあります。瀬尾まいこ著『夜明けのすべて』(水鈴社)。美紗は、PMS(月経前症候群)のイライラを新卒で入った会社で爆発させてしまいそれが原因で退職、社員6名の小さな会社に勤めています。月経の数日前はただでさえ機嫌が悪いにも拘らず、一か月前に大手コンサルティング会社から転職してきた年下の山添君の態度に不機嫌にも拍車がかかります。やる気のない彼自身もある薬を持っていたことから、彼がパニック障害であることを知ります。男女の仲に発展することは絶対あり得ない、でも生きやすくなるようにお互い助け合うのは「なし」じゃない。
2021年にドラマ化もされたためこう著『ジェンダーレス男子に愛されています。』(祥伝社、既刊4巻)は、男の子は青・女の子はピンク、化粧は女性だけ等々の刷り込みにシックリ来ない方におすすめのマンガです。わこは編集部に所属し校了明けは疲労困憊で帰宅すると、家ではめぐる君が栄養満点の料理を作って待っていてくれます。化粧も落としてくれる、まさに完璧男子なんです!美容、メイクや洋服が大好きで女の子のような見た目に揶揄われつらい時もあった、めぐるを可愛いと推しまくり励ましてくれた恋人・わことラブラブ同棲中です。そんな二人に加えジェンダーレスな友達も登場します。
「おひとりさま」シリーズの著者、上野千鶴子さんが2016年秋にカナダにお越しになった際に老後をテーマにした講演会があり、聴講しました。講演後は著書にサインを求める列ができ、もちろん私も並びました『セクシィ・ギャルの大研究 女の読み方・読まれ方・読ませ方』(岩波書店)を携えて。1982年に上梓された本書は商業広告の顔のしぐさ、服や体のポーズが与える性的アピールを記号学的に分析し、社会の作る「女らしさ・男らしさ」を徹底解剖しています。40年を経て当時よりも多種多様な方法で広告が存在している現在、ジェンダーギャップは狭くなっていくのでしょうか?
それではまた次号でお会いしましょう!
トロントにある日本の本屋さん Blue Tree Books
Blue Tree Books(J-town内)では、日本の本や雑誌を販売しております。話題の本はもちろんのこと、英語・その他言語のテキスト等も取り扱っています。店頭にない商品も、もちろん日本から取り寄せいたします。是非気軽にお越しください。3160 Steeles Ave E, Toronto(J-Town内)
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