12号で見つめた2025年のカナダ — TORJAの特集アーカイブ|特集「TORJAの特集アーカイブ」
2025年、TORJAは全12号の発行を通して、カナダの「いま」を多角的に見つめてきた。社会の変化を読み解く特集、時代を語る人物へのインタビュー、街の空気を伝えるグルメやカルチャー。いずれも日々の暮らしと地続きでありながら、その奥にある背景や文脈を丁寧に掘り下げてきた一年だった。
本アーカイブでは、そうした特集記事をあらためて振り返り、2025年という時間の中でカナダがどのような表情を見せていたのかを浮かび上がらせる。点ではなく線として読むことで、暮らし・文化・社会が交差するTORJAならではの編集の軌跡が見えてくる。
特集
変わる国、変わる暮らし —
カナダの政治・経済・社会を読み解く


2025年のカナダは、ジャスティン・トルドー首相の辞任表明や、米国でトランプ大統領が再登場したことによる関税政策の変動、移民政策の厳格化など、国内外の大きな転換点を迎えた。本特集では、G7サミットがアルバータ州カナナスキスで開催された外交環境、生活コストの高騰や不動産市場の変動、そしてAI(人工知能)の進展が雇用・ビジネス環境にもたらす影響を読み解いた。オンタリオ州とトロントの実情を軸に、労働市場と教育機関への波及、社会保障やコミュニティーの変化といった生活実感に直結するテーマにも切り込む。
SAKE Meets Canada —
日本酒レガシーとカナダで広がる醸造文化
伝統的な酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録される中で、日本酒は単なる輸入酒を超え、カナダ国内の蔵元や飲食シーンにも影響を及ぼし始めている。特集では、カナダでの日本酒消費の実態、地元ワインやクラフトビールと並ぶ存在感、フードペアリングの可能性、多角的な視点から市場と文化の交差点を捉えた。

カナダのはじまり。
ニューファンドランド島
カナダ最東端、ニューファンドランド・ラブラドール州のニューファンドランドは、ケベックの東に伸びるラブラドール半島と孤高のニューファンドランド島で構成される。大西洋の潮風に包まれたこの島は、世界史の謎や伝承と、幻想的な景色が混じり合う異国情緒の宝庫である。本特集では、氷山の水を使うクラフトビールや断崖の宿で味わうガストロノミー、地元素材を活かすシェフの技など、5つの“味わいの風景”を紹介した。
ナイアガラが生んだアイスワインの宝石

静かに蝕まれるオンタリオ
カナダに迫る麻薬ネットワークの現実

トロント・ブルージェイズのすべて
32年ぶりのワールドシリーズ進出
カナダ唯一のMLB球団として、トロント・ブルージェイズは1977年の創設以来、国境を越えて人々を熱狂させてきた。2025年シーズン、ブルージェイズは32年ぶりにワールドシリーズ進出を果たし、街と国全体を再び青一色に染めた。この歴史的快進撃は、チームの再建と多国籍ロースターの成熟を象徴する出来事である。TORJA創刊14周年を迎えた8月号では、球団の歩みと現在地、そして未来への展望を総特集。野球を通じて広がる文化と都市の力を、多角的に掘り下げた特集となっている。
秋の自然のドラマ
オンタリオ州を彩るサーモン・ランの季節

北米最多の交通量を誇る大動脈
ハイウェイ401が映すカナダの成長と課題

秋の渡りが告げる季節
カナダグースが映すカナダの自然と歴史

カナダのクリスマス
文化を読み解く




インタビュー
山野内勘二大使が語る
外交と人生の交差点


三回の留年やロックンローラーへの憧れを経て、司馬遼太郎の小説竜馬がゆくとの出会いが外交官への道を開いたという、山野内勘二・駐カナダ日本国特命全権大使。本インタビューでは、「やりたいこと」「できること」「やるべきこと」が重なる地点を探し続けてきた自身の歩みを振り返り、外交の現場で貫いてきた信念を語った。挫折や遠回りを否定せず、挑戦を重ねることで道は拓けるという哲学は、世代や立場を超えて響く。人生の選択と外交の実務を一本の線で結び、次世代に希望と道標を示す珠玉の内容である。
Adoのプロデュースにより誕生した
5人組アイドル ファントムシータ


ファントムシータは、レトロホラーを軸にした独自の世界観で、現代アイドルの常識を更新してきた。恐怖と美を融合させた音楽とパフォーマンスは、デビュー直後から強い注目を集め、わずか半年で日本武道館公演を成功させている。2025年には世界ツアーを予定し、昨年2月10日にはトロント公演が実現した。本インタビューでは、メンバーが掲げる「本当のアイドルになりたい」という言葉に込めた思い、グローバルな舞台に挑む覚悟、そしてファンへのメッセージを語った。
里綾実、世界一の投手がカナダ男子リーグに挑む

加藤豪将が語る
ブルージェイズの現在と未来

世界を驚かせた8歳の鼓動、15歳の現在地
ドラマーYOYOKAが歩む海外挑戦

2022年に家族と共にアメリカへ移住し、2024年には初アルバム『For Teen』を発表。15歳となった現在は、オジー・オズボーンのラストコンサートへのトリビュート参加や、トロントでのトム・モレロ、アレックス・ライフソンとの共演、北米・欧州ツアーなど挑戦の舞台を広げている。
TIFAで語られた創作の原点
伊坂幸太郎、ユーモアと物語の源流

2025年、第46回トロント国際作家祭(TIFA)の招へい作家としてカナダを訪問した伊坂氏は、ジャパンファウンデーション・トロント主催のトークイベント&サイン会に登壇。「ユーモアの根底にあるのは、十代の頃に観たハリウッド映画」と語り、創作に影響を与えてきた映画体験や言葉への向き合い方を明かした。作家生活25周年を迎えた今も、物語を紡ぎ続ける原動力とその独自の世界観が、多くの読者を惹きつけている。
TIFFで響いた静かな声 — 石川慶監督
『遠い山なみの光』インタビュー


記憶や喪失、移民というテーマを内包する本作について、「トロントはこの映画にとてもふさわしい場所で、作品をパーソナルに感じる人が多いと思う」と語った。多文化都市トロントでの上映は、物語が持つ静かな普遍性をより際立たせる場となった。
グルメ
あえて日本酒で
編集長が選ぶモダン・ガストロノミーの現在地



編集長が選び抜いた一皿は、ワインとは異なる角度から生まれるマリアージュの可能性を示すものだ。日本酒が洋の美食と交わることで広がる味覚の地平は、現代ガストロノミーの楽しみ方を一段押し広げている。
日本酒好きに贈る、
酒蔵が生み出す特別なスイーツ


カナダの東、食べることでふれる島 — ニューファンドランドの味わい


ナイアガラが誇る極上アイスワイン
四つのワイナリーの個性

五感で味わう高知
Taro’s Fishが届けた特別なフェア

柚子やカツオなど高知の鮮魚と食材をふんだんに使った「土佐御膳」も登場し、来場者は味覚だけでなく、音や空気感を通して土地の魅力に触れた。地域の物語を丁寧に伝える、記憶に残る一日であった。
トロントの抹茶を可視化する
抹茶メーターで探す一杯




抹茶スイーツとドリンクの広がりを見せるトロントで、その“抹茶度”を可視化したのが本特集「抹茶メーター」だ。苦さ控えめで親しみやすいスイーツから、茶葉の旨味と渋みをしっかり感じる濃厚な抹茶ラテまで、味わいの幅をメーター形式で紹介。甘党にも抹茶通にも、それぞれの気分や好みに寄り添う構成となっている。日本の抹茶文化を背景にしながらも、トロントならではの解釈やアレンジが加わることで、抹茶は日常的な選択肢として定着しつつある。自分に合った“抹茶”を探す楽しさを提案する、実用性と遊び心を兼ね備えた一篇である。
カナダ最大の日本酒フェスティバル「Kampai Toronto 2025」
カナダ日本酒市場、次章へ


ダウンタウン・コリアタウンから
広がる、病みつきになる韓国鍋

日本茶がつなぐ輪
トロント発「日本茶祭り」が育てるコミュニティーの力


























































