園長先生!気付けば息子も大きくなりました・・・第30回 「丙午(ひのえうま)の女性は夫を喰う?」
20年前に誕生した「池端ナーサリー・スクール」。その園長であり創設者の池端友佳理さんのそばにはいつも日系三世のご主人・マークさんと現在21歳で大学在住中の健人くんがいた。母親であり、教育者であり、また国際結婚移民をした友佳理さんとその家族の笑いあり、涙ありの人生をシリーズで振り返ります。
文■池端友佳理 (池端ナーサリー・スクール園長)
皆さま、あけましておめでとうございます!!
輝かしい新年の幕開けですね!実は何を隠そう(いえ、隠している訳ではないのですが)、私は年女です!!(あ、いえ、まだ還暦ではありません<笑)と言ってしまうと、年はバレバレですが…(笑)しかも、大きな声ではとても言えない『丙午(ひのえうま)』です!!
昨年末の本誌特集には”ゆく年くる年”などと大々的に掲載して頂いたものですから、有り難い事に反響も多く、色々な方から震災支援についての事や今後の動向を尋ねて頂いたりしました。年女としての今年の抱負は…と誰かに聞かれて、一瞬あ、そうか…と我ながらビックリしたほどです。実は年女と聞いて『丙午』について色々な事が思い返されて来たのです。
今時の若い方は『丙午』って一体何?と知らない方も多いでしょう。丙午は60年に一回やってくる干支の一つですが、”干支の丙午(ひのえうま)年の生まれの女性は気性が激しく夫の命を縮める(命に関わるまで行かなくとも、男性を不幸にする)”という迷信が昔からあるのです。しかもその丙午の年には火災が多いという江戸時代の初期の迷信は、1666年の丙午生まれだとされている八百屋お七から広まったとされています。お七は火災の避難場所で出逢った男性と恋に落ちたもののその後会う事も出来ず、恋い焦がれてまた火事になれば男性に再会出来ると信じ、放火してしまった事からことからひのえうまの女性は気性が激しいと言われるようになります。しかも、大正時代には縁談が破談となった女性の自殺の報道などが相次ぎ、丙午生まれの迷信が女性の結婚に影響したと言うのですから、何ともひどい迷信です。これが60年に一回と言うのですから、私が生まれた年…つまり1966年の出生率は他の年に比べて極端に少なくなったのは明確な事実なのです。これが丙午で、その年に生まれたのが私です(笑)。
私が高校生になりたての頃に付き合おうとしていた男子のお母さんが、私が丙午生まれと分かったとたん、私とは近づかないようにその男子を説得までしたと言う嘘の様なホントの笑い話があるほどなのです。
次回の丙午は2026年ですが、この迷信はその時の出生率にも影響するのでしょうか?妊娠中に男女性別が分かったり、生み分け技術が発展して行く昨今においても、この地球上ではまだまだ子供の男女差別が根強い国があり問題が起きていますが、そのような偏見も早くなくなって欲しいと心から願っています。
偏見と言えば、私を良く知る一部の友人達からは”やっぱり丙午の女性は結婚相手を喰うんだなぁ”などと言われたりもしていますが…。いえいえ、決してそんな事はないのですよ(笑) しかし、本当にマークは気長に私の相手を良くしてくれると感謝しています。
マークだけではありません。こうと決めたらなかなか考えを曲げない、頑固で気性の激しい丙午の私と付き合って来てくれている家族や友人達、職場の仲間たち…私と言う人間に関わってくれている人たち全てに感謝感謝です。
新年早々、全く取り留めのない記事で始めてしまいましたが、今年も周りの人たちに感謝する事を忘れず、またその気持ちを素直に伝えられる一年にしたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
池端友佳理 – 京都出身。大阪の大学看護科を経て同大学病院の産婦人科で看護師として経験後、1990年に渡加。伴侶は日系カナダ人三世。一人息子(大学生)の母。1993年に自宅で池端ナーサリー託児所を開設。1999年日系文化会館内に池端ナーサリースクールを設立。園長を勤める傍ら、カナダ唯一の産後乳房マッサージ師として活躍中。