園長先生!気付けば息子も大きくなりました・・・第32回「大雪災害と助け合い精神」
20年前に誕生した「池端ナーサリー・スクール」。その園長であり創設者の池端友佳理さんのそばにはいつも日系三世のご主人・マークさんと現在21歳で大学在住中の健人くんがいた。母親であり、教育者であり、また国際結婚移民をした友佳理さんとその家族の笑いあり、涙ありの人生をシリーズで振り返ります。
文■池端友佳理 (池端ナーサリー・スクール園長)
日本では大雪のため、多くの地方で多大な影響が出ており、中には死傷者がでた地域や交通の遮断などによって完全に孤立してしまっている地域もあるとニュースで映像を見たり、報道を聞いたりするたびに心を痛めています。この3月11日で東日本大震災からはや3年。自然災害はこれでもかこれでもかと言わんばかりに日本を襲って来ます。復興も進まない中またの災害…被災者の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。
ニュースを見ていて、心配になるのは病気の人、お年寄り、小さな子供を抱えた家庭、妊婦さん…など、よく考えてみたら、周りにいる人のほとんどがあてはまるのではないかとも思えてきます。そのような方たちが不安を余儀なくされ、今も助けを待っているようです。
雪に挟まれ、スリップし、動けなくなった車の数々、またその車を追い抜く事も出来ずに道路で立ち往生している大きなトラックやバス、普通自動車。そんな人たちを「困ったときはお互いさま」の精神で助ける地元の人々。避難場所を提供したり、温かい食事や毛布を配ったりと、人情溢れる対応には心を打たれます。
困っている人たちがこの様な地元の人たちの暖かい行為に触れ、インターネット上で発信しているいるつぶやきや情報はこの大雪による被害に対してぶつぶつ文句を言っている姿ではなく、感謝の気持ちを表している人が非常に多くいると言う事も嬉しく思いました。
他にも、ある製パン会社の配送運転手が、大雪の影響でサービスエリアに立ち往生した他のドライバー達に積んでいたパンを配った話や、飲食店が無料で食事を配給した話、小さな軽四駆自動車が大型トラックを引っ張って抜けられぬ雪の中から牽引している動画などがインターネット上で出回っており、見る人に感動を与えているようです。
さて同じ様に、トロントに住む私たちにも全く持って人ごとではない自然による大被害が年の暮れに起こったばかりです。アイスストームにより、街中が凍り付き、木々も氷で包まれまたその重みで次々と倒れ、街中を大停電へと落し入れる事になりました。本当に街が止まったかの様に静かで氷雪に包み込まれていました。
普段、これだけ電気のお世話になっていたのかと驚き、改めて電気の有り難さを感じた人も少なくないはずです。役立ちアイテム#1の携帯が、充電出来ないと使い物にならないなんて!!コンピューターもTVもつかないと外部からの情報も手に入らない。昔のような手動ラジオが必要だなんて…。薪やガス使用の暖炉がある家はなんとか寒さもしのげたでしょうが、真冬の寒さは極限に達していますから、ぬくもりを求めて家族•親戚や友人宅にお世話になる事もあったでしょう。
私の家はアイスストームの影響で被害を被る事はお陰さまで全くなかったのですが、職員と連絡が取れなかったり、園児家族の状況も非常に心配していました。ちょうど時期も悪く、クリスマスシーズンの前だと言うのに、多くの人が寒さに耐え忍び、また休む間もなく復旧活動に励む職員達も大変だった事でしょう。
これまたネット上で見たのですが、どこにも向けられない怒りの矛先を極寒中の作業員に向け、大声で怒鳴りつける市民の数々。それを見たとき、何とも悲しい気持ちになったのですが、それとは逆に『Thank you for your hard work!!』などの感謝の気持ちや励ましの言葉を紙に書いて窓から作業員に見せる子供達の姿にはホッとさせられました。自分の心の持ちよう一つで状況の受け止め方も随分変わって来るものなのでしょう。
先ほど記述した日本人の助け合いの精神もそうですが、人のぬくもりは辛くて困っている立場の人にとって、一生忘れる事の出来ない、人と人との絆を教えてくれるものなんだろうと強く感じます。そして、良いように考えてみれば、きっと、この不運な体験をされた人たちは人生観が変わる程の素晴らしい何かを得られたのかもしれません。もちろん、今もなお道路が閉ざされ物資が届かぬままで不安に駆られて過ごしてらっしゃる方も非常に多いと思いますから、楽観的にものを考えるのは不謹慎なのかもしれませんが、改めて自分も見習いたいと思いました。
しかし、何よりも今は日本各地の大雪災害が早く収まり、皆さんが元の生活に一刻も早く戻れるよう、心から祈るばかりです。
池端友佳理 ー 京都出身。大阪の大学看護科を経て同大学病院の産婦人科で看護師として経験後、1990年に渡加。伴侶は日系カナダ人三世。一人息子(大学生)の母。1993年に自宅で池端ナーサリー託児所を開設。1999年日系文化会館内に池端ナーサリースクールを設立。園長を勤める傍ら、カナダ唯一の産後乳房マッサージ師として活躍中。













