園長先生!気付けば息子も大きくなりました・・・第35回「生き物を迎え入れると言う事 フトアゴヒゲトカゲ編」
20年前に誕生した「池端ナーサリー・スクール」。その園長であり創設者の池端友佳理さんのそばにはいつも日系三世のご主人・マークさんと現在21歳で大学在住中の健人くんがいた。母親であり、教育者であり、また国際結婚移民をした友佳理さんとその家族の笑いあり、涙ありの人生をシリーズで振り返ります。
文■池端友佳理 (池端ナーサリー・スクール園長)



もしも宝くじに当たったら….私はいっ〜〜ぱいしたい事はありますが、昔から思っている夢の一つに“日本にカナダの様な、動物殺処分ゼロのHumane Societyを作る!” と言うものがあります。知る人ぞ知る、私は大の動物好きです。(まさにどんな動物も好きです!)
子供の頃から、道ばたで捨てられている犬猫達を黙ってそのままにしておくなんて決して出来ない性格でした。それが一匹であろうと多数であろうと、まとめて連れて帰ってしまっていたので、今から思うと母は大変な思いをしていたんでしょうね〜。あ、でもそんな母も同じく犬猫大好きだったので怒られたり、ぶつぶつ文句を言われたりはした事はなく、逆に、連れて帰った生き物達を一緒に面倒見てくれたり、飼い主を捜してくれたりしたのでした。
考えてみると、日本はどうしてあんなにも野良犬や野良猫が多いのでしょう??捨て犬や捨て猫が多く、そこからまた繁殖して野良達が増えると言う事になります。でも、野良達は考えようによっては、悲しいかな、生き延びるチャンスがあると言う意味ではラッキーな方なのでしょうか…。
日本では、飼えなくなってしまった動物達を保健所に連れて行くと保健所が“処分”してくれます。飼い主達は誰もその最期に付き添いませんから、保健所に連れて行った人達自身は動物達がどのような最期を遂げたか知る人はいないでしょう。1年間に日本全国の管理センターで殺される犬・猫は約80万頭と言われています。
「動物愛護に付いて私の思う思想について語れ」と言われたならば、延々お話しする事は出来ますが(笑)、今回は池端家に同居する動物達の生活をちょっとしたシリーズで綴りたいと思います。
そもそも、動物達はとにかくかわいい!!特に生まれて間もない赤ちゃんの時期はどんな動物もちっちゃくてそのしぐさや動きにはたまらない魅力があり、見ている分には癒され効果も抜群です。それ故に、ペットショップなどでご対面しちゃった時にはもうこの瞬間が永遠の様な気がしてついついペットの衝動買い…と言うケースが多いかと思います。また、子供達にせがまれて…「絶対世話するから!」と言うセリフは今も昔も永遠に不滅かもしれません。
しかし、その世話の仕方も分かっていないのに飼ってしまうケースが少なくありません。ペットショップの店員も結構簡単に飼えるように言いますし…。ペットショップで一目惚れして買って帰ったは良いけれど….。そう、 偉そうに言っているこの私はまさにこのパターンで、ナーサリーの金魚のためのフィルターを飼いに行っただけなのに、ついでに衝動買いでフトアゴヒゲトカゲ(Bearded Dragon)のちっちゃくてとってもかわいい赤ちゃんトカゲ2匹とその飼育セット一式を買って帰ってしまった張本人なんです…..(汗)
ペットショップに行った際はマークも一緒にいたので止めてくれれば良かったのですが、彼はいつも私の好きな事をさせてくれるタイプなので、私の「ちゃんと世話するから!」(子供じゃないんだから…と突っ込みたい所ですが…)の言葉に負けて飼う事に賛成してくれました。
ペットを飼う際は、その動物の習性はもちろん、その子達が自分たちの生活に合っているのかどうかを十分調べた上で適切なペットを飼うのが基本です。
ところが私たちは連れて帰って来て初めて一から調べた訳ですから、まるで出来ちゃった婚で子供を授かった様な気分でした。しかも、15年程前でしたから、ネットで簡単に調べる訳にも行かず、飼育本とにらめっこでした。
連れて帰って来た子達はわずか5cm程度の大きさでしたがやがては30cm近くにもなり、買って来た小さなケージは数ヶ月の間に4フィートにもなる大きなケージへと買い替えなければならないのでした。オーストラリアに生息するトカゲ達なので暖かい環境が必要ですし、自然な環境を再現するためにもヒートランプやUVライトが必要でした。エサはコオロギやミルワームなどの生き餌でしたから、頻回にそれらをペットショップに買いに行かねばなりません。こんなに大変だなんて!!いえいえ、それだけではありませんでした…次から次へと初体験は続きます。
実は、連れて帰って来た2匹はオスとメスで….なんと、メスの子のお腹がある日どんどん、どんどん大きくなって行ったのでした。
初めてのトカゲ飼育でいきなり妊娠!マークと2人であたふたしながら参考文献を探し求め、爬虫類のエキスパートを見つけ…なんとかトカゲの出産準備にこぎ着けたのでした。
ウミガメが涙しながら出産するシーンはTVなどでも見た事がありましたが、トカゲのお母さんも同じ様に涙を浮かべながら一生懸命卵を産んでいたのです。命を生み出す母の姿は本当に素晴らしく、感動で私も涙が出て来ました。
どんなに小さな命であろうと、それをペットとして..いえ、家族として迎え入れたのであれば、最後の最後まで、人間として家族として面倒見るべきなのです。と言う事で、トカゲを家族に迎え入れた池端家にはこれからどんどん家族が増えて行ったのでした。(続く)
池端友佳理 ー 京都出身。大阪の大学看護科を経て同大学病院の産婦人科で看護師として経験後、1990年に渡加。伴侶は日系カナダ人三世。一人息子(大学生)の母。1993年に自宅で池端ナーサリー託児所を開設。1999年日系文化会館内に池端ナーサリースクールを設立。園長を勤める傍ら、カナダ唯一の産後乳房マッサージ師として活躍中。













