園長先生!気付けば息子も大きくなりました・・・第36回「生き物を迎え入れると言う事 ② お世話の鉄則」
20年前に誕生した「池端ナーサリー・スクール」。その園長であり創設者の池端友佳理さんのそばにはいつも日系三世のご主人・マークさんと現在21歳で大学在住中の健人くんがいた。母親であり、教育者であり、また国際結婚移民をした友佳理さんとその家族の笑いあり、涙ありの人生をシリーズで振り返ります。
文■池端友佳理 (池端ナーサリー・スクール園長)



生まれたフトアゴヒゲトカゲの赤ちゃんのうち、体の弱い子や色のキレイな子を我が家に数匹残す事にしました。もちろん、近親交配を避けるため、オスとメスは別々の4〜6ft.級の大きなケージに入れて育てました。歩き回ったり、木に上ったりするのが大好きですから、大きなスペースが必要なのです。ペットショップでペットを買う際、良く言われるのが「大きなスペースは必要ありませんよ。」と、まるで小さなスペースでも飼えるかの様に言う店員が多いですが、そもそも小さなスペースで心地よく生きられる生き物なんてそうそういません。ペットを飼おうと考えている時はペットの性質を良く知り、何が一番その家庭に合っているのかを必ず予め調べる事が大切です。
さて、それでもトカゲの赤ちゃんは二十数匹程生まれるたので全てを飼う訳にはいきませんでしたから、残りはペットショップに里子に出す事になりました。
赤ちゃんたちをペットショップに連れて行って、お店の販売ケージに入れられた時は涙が出て来てしまいました。ちゃんと責任感のある人に飼ってもらえるだろうか?飼い主は飼い方をちゃんと分かっているだろうか?…不安でいっぱいの私は、後ろ髪惹かれる思いでお店をあとにしたのでした。
その後、トカゲ達は随分年を取り、老後を迎える事になりました。犬ネコなどが年を取るとどの様なケアをしないといけないか、獣医さんに聞いたりして気をつけている飼い主さんは多いものです。しかし、ハムスターやスナネズミなど小動物や爬虫類などになると老後のケアを知らない人がほとんどなのです。
犬ネコの様にチェックアップなどに行かない代わり、動物達の様子を飼い主が注意して見てあげないといけません。小動物や爬虫類もそれぞれの寿命があり、確実に年を取って行きます。食欲のない子には食べやすく消化の良いものを与えてあげたり、動けなくてエサや水の入れ物まで歩いて行けなくなる子もいます。
爬虫類などは目が悪くなって焦点が合わなかったり、動きが鈍くなったりして虫を捕獲出来なく出来なくなる子もいます。
そんな場合はエサを口元まで持って行ってあげないといけません。水もスポイトなどで口に流し込んであげないといけない事もあります。老後もしっかりと介護してあげれば、結構長生きしてくれるものなのです。
どんな理由があっても、爬虫類や小動物を途中で飼えなくなってしまった場合に「自然に帰す」のだけは決してしないで下さい!!ペットはあくまでもペットであり、人の手で育てられた子達は自然の中では絶対に生きて行けません。また、例え生き延びたとしても、特にカナダで生息していない種類の生き物ですと自然界の生態系が壊される可能性が大いにあります。
また 例えば…良く聞かれるのが、ーー田舎の地方に行って、子供達がオタマジャクシやカエルを捕まえて家に持ち帰る。しかし、エサにも困るし、最後まで面倒は見られない。庭は芝生もあり、木々もたくさん植わっていて自然がいっぱい。だから『自然に帰してあげる』ーーと言った様な事です。(カエルだけに限りません。)
環境は生き物の種類によって全く違うものです。この場合、カエルと一言に言ってみても、水辺で生活して陸と水中の両方で生活する種類もいれば、陸上だけを生活の主体にしているものもおり、木の上を好んでいるものもいます。それぞれ住みやすい環境が違うのです。ですから、捕獲して来た生き物を短期間のうちに捕獲した場所に戻してあげられないのであれば、家には連れて帰らないのが一番なのです。もしくは、連れて帰ったら、最後まで面倒みてあげる事ですね。
以前、私は我が家のドライブウェイでひからびて死にそうになっているアメリカントード(ヒキガエル)を救出した事がありました。息はまだ在ったのですぐに捕獲し、土と葉っぱと苔などでケージに住処を作ってあげ、保水してエサ(生きたコオロギ)をあげました。そして、元気になった所で庭に逃がして「自然に帰して」あげました。
このようにその生き物と環境を見据えて出来るだけの対処してあげられるのが一番なのですが、うちにいるほとんどの子たちは、飼い主の一存で狭いケージの中で一生を過ごして来た訳ですから、安らかな最後を迎えられるまで責任を持って可能な限りお世話してあげる、と言うのが池端家の鉄則なのであります。(続く)













