園長先生!気付けば息子も大きくなりました・・・第38回「生き物を迎え入れると言う事 ④ 犬の十戒」
20年前に誕生した「池端ナーサリー・スクール」。その園長であり創設者の池端友佳理さんのそばにはいつも日系三世のご主人・マークさんと現在21歳で大学在住中の健人くんがいた。母親であり、教育者であり、また国際結婚移民をした友佳理さんとその家族の笑いあり、涙ありの人生をシリーズで振り返ります。
文■池端友佳理 (池端ナーサリー・スクール園長)


我が家には、小さいけれど存在感の大きな大きな我が子同様のワンコが2匹います。2匹とも小型犬の10歳ですので、人間で言えば56歳くらい…だんだん体のあちこちに問題が出て来る頃です。どちらもレスキュー犬で、本当の誕生日は定かではありませんが、来た頃はまだまだちっちゃくて赤ちゃんでしたから生まれ年は見当がつきます。
一匹は病気で体が弱っており、目ヤニで目はくっついていて、体中の毛もベタベタでした。ヨークシャテリアでありながらも放っておくと、誰にももらってもらえない犬だったのは目に見えていましたから、あえてこの犬を迎える事にしたのです。すぐに獣医さんに連れて行くと、風邪を引いていて、目も耳も炎症があり、おまけに皮膚炎も起こしていたので、しょっぱなからえらく出費がかさんでしまいましたが、この子がまぁ、なんとも性格の良い子で大人しくてかわいくて、みんなから好かれる愛嬌のある最高に飼いやすいワンコだったのです。もう一匹は、1日目にてトイレットトレーニングは完了、本当に私たちの言う事を全て理解している(かの様な態度の)賢いワンコです。どちらも聞き分けがよく、私たちに何の問題もかけぬ素晴らしい性格で、誰からも好かれる見た目も可愛らしくて私たちを日々癒し続けてくれています。
でも、やはり年月が経つと私たち同様、いえ時間は私たちの数倍速く年老いて行く犬達。犬年齢の10歳と言うと人間で言えば56歳です。からだのあちこちにだんだん問題も出始めます。
かつては野原を駆け巡っていた子達ですが、今ではあっという間に疲れて少し休まねばなりません。一匹は関節リウマチがでて来たようで時々痛みが出て来ます。そのため、専用のおしっこパッドに間に合わなくて、粗相をする事もごくたまに出て来ました。もう一匹は少し耳が遠くなって来ました。2匹とも目も悪くなって来ました。年を取ると、人間と同じ様に犬も老犬となり、色々な問題が出て来るのです。犬を飼い始める時は愛くるしい仔犬の姿に夢中で、そんな先の事まで考えられないでしょう。
ここで、私が大好きな詩をご紹介したいと思います。作者不詳と言われていますが日本語では「犬の十戒」として今もインターネット上などで広く知れ渡っていますから、ご存知の方も多いでしょう。ペットとして迎え入れられる犬が人間に語りかけるという形式で訴えており、心に染み渡る内容です。
- 私の一生は10〜15年程しかありません。ほんのわずかな時間でもあなたと離れているのは辛いものなのです。私を飼う(買う)前にその事を覚えていて下さい。
- あなたが私に求めている事を理解出来る様になるまで時間を与えて下さい。
- どうか私を信頼して下さい…それだけで私は幸せなのです。
- 私を長い間叱り続けたり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには仕事があり、楽しみがあり、また友達もいるでしょう。でも、私にはあなただけしかいないのです。
- 私に話しかけて下さい。たとえ言葉は分からなくても、話しかけてくれているあなたの声で理解出来るのです。
- あなたがどんな風に私に接してくれたか、私はそれを全て覚えている事を知っていて下さい。
- 私を叩く前に思い出して下さい。私には鋭い歯があり、あなたの手の骨を砕く事すら出来るのに、なぜそうしないかを。
- 言う事を聞かない、頑固だ、怠け者だ、と怒る前に何か原因があるのではないかと考えてみて下さい。適切な食事ではなかったのかも、長時間照りつける太陽の下に置かれていたのではないか、あるいは年老いて体が弱って来ているのではないか…と。
- 私が年をとってもどうか世話をして下さい。あなたも同じ様に年はとるのです。
- 最期の旅立ちの時にもどうかそばにいて私を見送って下さい。「見ているのが辛いから」とか「私のいない所で逝かせてあげて」なんて言わないで下さい。あなたが側にいてくれるだけで、私はどんな事でも安らかに受け入れられるのです。そして、どうか忘れないで…私があなたを愛している事を…
この十戒は私の指針であり、教訓にもなっています。常に忘れてはならない…この子達は自分よりうんと短い一生であると言うこと。
寒い冬の最中に散歩に行きたがる時は正直うんざりする事もあります。でも、嬉しそうにドアの前でジャンプして待つこの子を見て、今この瞬間を大事にしないとなぁ…と、自分自身に言い聞かせたりしています。だって、大好きな我が子達にもっとこうしておいてあげれば良かった…って、いなくなってから後悔したくないですものね。













