日本レストラン協会(JRAC)理事・Zen Japanese Restaurantオーナー 柏原清一氏、日本食普及の親善大使に任命
佐々山拓也・在トロント日本国総領事は、木村氏の第15回日本食海外普及功労者表彰と柏原氏の日本食普及の親善大使任命の記念レセプションを催した。
柏原氏は、1986年にオタワに移住後、1991年からトロントでキャリアを積み、2000年にスカボローで独立し2015年にマーカム市に現在のお店をリニューアル移転オープンしたほか、現在はスカボローに「Zen Sanuki Udon」も展開している。
柏原氏は、本誌の取材に「高校を卒業後、父親に「警察官か調理師か」と問われ、食べることが好きだったこともあり、調理師学校への進学を決めました。特に昔からの夢、というわけではありませんでしたが、免許も取れて手に職をつけられる、そういう考えが父親にはあったのではないかと今では思っています。
昔から海外への興味があった私は、ハワイで寿司職人として働く先輩の存在をきっかけに25歳のとき寿司シェフとしてカナダのオタワにやってきました。そこで3年ほど働き、トロントに移り、キャリアを積みながら2000年にスカボローで独立しました。その後、2015年にマーカム市にリニューアル移転オープンしました。
オタワでは、妻の和子と出会うこともできました。和子に知り会うことでどれだけ助けられたか、そう思うと感謝の気持ちでいっぱいです。彼女は当時日本大使館の会計部で働いており、その経験と知識なども活かしてお店の経理なども含めて手伝ってもらいました。彼女が一緒にいてくれたからこそ今があると思います。心から感謝しています。
カナダにきた当初は、鮮魚が全く手に入りませんでした。あったのは冷凍のハマチくらいです。鮮度の良い生簀に入った獲れたての魚を見て、喜んでいる夢まで見るほどでした。その後流通が良くなり、トロントでも入手可能になってきたのですが、その鮮魚を積極的に仕入れて使うようになったのは私たち『ZEN』が最初だと思います。
太郎さん(Taro’s Fish)、鈴木さん(総領事館)、
山田さん(JETRO)、木村さん(銀杏)
(写真右)総領事を囲み来年の展望を語り合う参加者の皆さん
私は日本食に携わる者の使命として、日本人が日本のモデルを作っていかないといけないと思っています。日本と同じものを提供していきたいと。そうでなければ日本食が変な方向にいってしまうと危惧しています。日本食材・文化を正しく伝えていけるようにこれからも取り組んでいきたいと思っています」と喜びと抱負を語ってくれた。
(写真右)和子さん、晶子さん、智亜紀さん、まさこさん
日本食普及の親善大使は、海外の日本料理関係者等への助言等を通じて国内外への日本食・食文化の普及を行う日本料理関係者等に対し、海外への日本食・食文化の更なる魅力発信に取り組んでもらうことを目的として任命されている。