今月のネタ ポルトガル産「金目鯛とアジ」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話
以前のコラムでも触れた太郎さんご夫婦思い出の旅行先、ポルトガル。ポルトガルは気候も治安もよく教育の質も高いことから近年リタイアメントやロングスティの候補地としても人気が高まっているらしい。Taro’s Fishでは昔からポルトガル産の鮮魚も積極的に取り扱っているということで、入荷したての金目鯛とアジを賞味させてもらった。
毎朝、店内では太郎さんと修行中の碧波くんが仕入れた魚の鮮度や脂のノリ、大きさなどを徹底的にチェックする。イマイチなものは業者に持ち帰ってもらうという。「何年もこれの繰り返し。適当なものを渡されないように1つずつきちんとチェックして妥協のない姿勢を見せることで、業者の方々にTaro’s Fishクオリティーを理解してもらえる。最後は人と人との付き合いだから本気で取り組みたいよね」といつもの太郎さん節に惚れ惚れする。
海外にいると日本の鮮魚が注目されがちだが、Taro’s Fishが25年以上大事にしてきたのが地場の魚にこだわるということ。「以前紹介したハリファックスやノバスコシアの天然本鮪もそうだけど、フロリダやボストン、ポルトガル、ニュージランドからも脂がのった旬な魚を長年ずっと仕入れている。高かろう美味かろうではなく、美味くて新鮮な魚をリーズナブルに皆さんの食卓に届けたいよね」と想いを教えてくれた。
もっちりとした食感と上品な脂の甘さに思わずうっとり!
鮮やかな赤い色の「金目鯛」
鮮やかな赤い色と大きくてギョロっとした目が特徴的な金目鯛。うっすらとした綺麗な桜色の身質は甘みがありとても上品な味わい。脂がのり肉厚でしっとりした食感はいくら食べても飽きがこない。
日本では太郎さん出身の高知県が全国有数の好漁場として知られ、東部の室戸沖はブランド名「土佐沖どれ金目鯛」として全国に出荷しているとのこと。
今回いただいた寿司の魅力は、トロリとモッチリした舌触りに脂質に富んでいる上品な身がシャリの酸味で合わさり、旨みを一層引き立ててくれるところだ。「湯引き」された寿司は、表面に熱を加えることで身が引き締まっており、金目鯛がもつ旨みと食感がまた違った風味で味わえるのが嬉しい。
個人的には、金目鯛の煮魚も大好物。甘みのある脂が煮汁に溶け出して、魚の旨みと合わさって、口の中でとろけるのが最高。もう想像しただけで口の中いっぱいに幸せが広がっているのはお察しの通り。
新鮮だからこそ真っ先に試したい「アジのたたき」
日本人にとっても身近なアジ。青魚なのにクセのない味わいで、タタキはもちろん、そのまま刺身やお寿司として食べても美味。栄養価が高くて低カロリーということでダイエットに効果的だとか。DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)という脂肪酸が豊富に含まれている。アジのタタキは、身は大きめにたたくと食感が新鮮。ねぎとしょうがで風味と歯ごたえをプラスすれば、ご飯が何杯でもいけそう。
今回料理を用意してくれたのは、若手ホープの浦田隆さん
太郎さんが通った高知県の調理師学校の卒業生で、現在3年目の隆さん。海のないトロントでたくさんの種類の新鮮な魚が手に入るのがTaro’s Fishの魅力だという。「今回用意したポルトガル産の金目鯛やアジも脂のノリが良くて触っただけで美味しい質感が分かります。なかなか他の店ではここにあるクオリティーの魚を見かけることはないと思いますよ」と教えてくれた。
この3年間で包丁の使い方や魚の取り扱い、寿司の握りなどすべてを学ぶことができたという。「すごく忙しいお店だからこそ、自分を常に成長させてくれる場所だと思っています。 特に掃除の大切さと効率よく流れるように仕事をする、という教えは徹底的に仕込まれました」と語る。料理も大好きだという隆さんは、「一生懸命やれば出来ないこともできるようになるということを信じている」という。これからもTaro’s Fishの師弟物語に注目したい。
季節の鮮魚や美味しいお刺身、お寿司、お惣菜が満載
Taro’s Fish
Instagram & Facebook ➡ @tarosfish