今月のネタ「カナダ産 天然本マグロ2 家庭でも楽しめる究極の賄い料理」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話
12月のとある早朝、Taro’s Fishの店内に明かりが灯っているのを見つけ、ちょっと顔を出してみた。冬前あたりまで毎週朝1に天然の本マグロがPEIやノバスコシアから届くと聞いていたからだ。この日も早朝からオーナーの太郎さんを筆頭に、若手スタッフが中心となっておよそ350パウンドもの鮪をさばいていたのだ。
残すところなく使う心
「今年最後のBlue Finかもしれないよ!」と太郎さんの掛け声の下、若手スタッフ数人が見事なチームワークでマグロの解体と柵どりを黙々と進めていく。大トロ、中トロ、赤身、さらには中落ちやカマ、血合いやスジ、皮まで余すことなく丁寧に取り分けている。正しい下処理をすることで栄養豊富なそれぞれの部位をお惣菜や賄い料理できるんだよと語る太郎さんは、「残すところなく使う心」を大切にしているという。
聞くところによると太郎さん出身の高知県の調理師学校から現在4名の若手料理人たちが修行に訪れているという。今回はそのうちの一人、3年目になるRYOさんが作るマグロの料理が、家庭でもぜったい喜ばれるレシピだからと賄いをご馳走してくれた。
マグロの皮・スジ・血合いなど栄養たっぷりの究極賄い料理
RYOさん曰く、「例えばマグロの血合いには鉄、ビタミンA・D・B6、グリコーゲン、アンセリンなど栄養素が豊富で、牛肉や豚肉に比べても低カロリーで、鉄分やビタミンの補給におすすめなんです。スジには、旨味がたっぷり含まれていて、煮込めば煮込むほどトロトロになってその味を感じることができます。さらに下処理に手間はかかりますが、マグロの皮は弾力があってプリプリした食感で、それはまさに中華クラゲのようでピリ辛との相性も抜群なんです」と自慢のレシピを公開してくれた。
「梯子を上る意思のない者を他人が押し上げることはできない」
この言葉は米国の鉄鋼王として知られるアンドリュー・カーネギーが残した名言だが、Taro’s Fishで働く若者たちに会うたびに、夢や目標に向かって今を一生懸命頑張っているハツラツとした彼らの姿に清々しい気分になる。 また、私が訪れるたびに元気よく挨拶をしてくれて仕事が忙しいにもかかわらず絶えず気を遣ってくれる彼らの姿を通して、大将の人材教育の浸透ぶりと若い人材をこのカナダで育てたいという熱い想いがよく伝わってくる。
ぜひ読者の皆さんもお店に訪れた際は彼らに声をかけてあげてください。きっと元気が出ると思います!
RYOさん直伝・マグロの家庭料理レシピ
<ツナナムル>
鮪の皮を使った食感が楽しい料理。
・ポイント ツナの皮は茹でて氷水にとり、鱗を取る。なるべく薄くカットし、野菜と調味料とあえる。
【●人前】
-チキンスープの素 大さじ3
-はちみつ 大さじ2
-ラー油 大さじ3
-ごま油 大さじ3
-ごま 大さじ3
<ツナスジ煮込み>
お酒のアテにもってこい。どこか懐かしい優しい味が特徴。
・ポイント スジは2〜3回あぶら抜きをする。大根は1口サイズに切り、スジとは別で炊く。柔らかくなってきたら、ツナスジと大根を一緒にし、だしをひたるまで入れる。
【●人前】
-醤油 350ml
-酒 780ml
-みりん 180ml
-はちみつ 大さじ3
-しょうが 適量
-だし 適量
<味噌ツナそぼろ>
白いご飯によく合う。温かいご飯の上に乗せて食べたい一品。
・ポイント 2〜3回あぶら抜きをした食材を味噌漬けとあえる。水分が少しとんだら完成。
-味噌漬け 600g
-しょうが 適量
-醤油 大さじ1
季節の鮮魚や美味しいお刺身、お寿司、お惣菜が満載
Taro’s Fish
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