今月のネタ「太刀魚」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話
大忙しのクリスマス・年末ホリデーシーズンを無事乗り越えたTaro’s fish。刺身やお寿司が大好きな日本食ファンたちが待ちに待った2022年の営業初日は1月12日。ご近所ということもあり、新年の挨拶も兼ねて開店前の仕込み中にちょっと立ち寄らせてもらった。
今年も営業初日から元気よくスタート!
店内に入ると休み明けとは思えないほどテキパキとスタッフの皆さんが営業準備に精を出している。奥に進むと魚をさばく仕込み場だ。元気な若手たちに交じってオーナーの太郎さんが魚と格闘中だ。現場主義の太郎さんならではの光景だ。だいたい店に行くといつもこの光景、きっとお客さんたちも魚屋の大将に会えるのは嬉しいだろう。久しぶりに会えてついつい嬉しくなって新年の挨拶とともに話も弾んでしまう。
キラキラ銀色に輝くフロリダ産の太刀魚
太郎さんの手には何十匹もの銀色に輝く太刀魚。一匹ずつ丁寧に手際よく三枚におろしていく。「今日届いた太刀魚はフロリダ産。刺身にしてもよし、炙りも美味い、塩焼きや酢の物など、一年じゅう旬の太刀魚は晩御飯の一品やお酒の肴にぴったりだよ!」と太郎さん。
太刀魚は温暖な海域を好み、日本では中国地方や瀬戸内海、そして九州でも多く獲れるとのこと。フロリダは年中暖かいわけだから年間を通して地物が届くのも合点がいく。
英語の名称は何種類も!
「太刀魚は世界の各地で漁が盛んなこともあって英語の呼び名も色々あるんだよ。“Belt fish” “Cutlass fish” “Hairtail” “Scabbard fish”など。トロントでは“Belt fish”、ヨーロッパでは“Scabbard fish”と呼ばれたりしているね」と教えてくれた。魚の名前は漢字でも見ているだけで興味深いけど、英語でもちょっとした造語風になっていて面白いと感じる。
ちなみに太郎さん、以前に奥さんの智亜紀さんと二人でポルトガルに旅行した時のことを思い出して、毎日のように二人でフィッシュマーケットに行って、太刀魚を買っては持ち帰って滞在先で捌いて料理していたのが思い出だとか。新鮮な魚を見るとついついトキめいてしまうのだろう。夫婦二人三脚でここまできた二人。きっと最高の旅だったに違いない。
太刀魚の石
「太刀魚の石って知ってるかい?」魚を捌いている横で見せてくれたのは開いた身にくっついていた白い石。初めてみる神秘的な石は、太刀魚の骨腫らしく、骨の成分であるカルシウム、リンからできているとのこと。太刀魚や鯛の老体魚では、まれに骨成分の異常沈着が起こることがあるようだ。けっこう一般的なことらしく、もちろん石があった太刀魚を食べても健康的にも問題ないとされる。食はいろいろなことを教えてくれて素材を知れば知るほど新しい発見がある。
Taro’s fishでは大きめの鮮魚を仕入れるのがポリシー
この日はお造りに生と炙りの握り寿し、酢の物そして焼き魚を賞味させていただいた。お刺身は歯ごたえがよくて脂がのっていて風味豊か、それでいて淡白な味わいは旨味を感じて飽きがこない。 ポン酢や薬味、柑橘類などに合わせて何切れでもいけてしまう。日本酒にもとてもよく合いそうだ。大きな身はシンプルな塩焼きも喜ばれそう。たくさんレシピが公開されているので、ぜひご家庭でも味わってみてはいかがでしょう!?
季節の鮮魚や美味しいお刺身、お寿司、お惣菜が満載
Taro’s Fish
Instagram & Facebook ➡ @tarosfish