今月のネタ 「ポルトガル産天然カンパチ」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話
日本の養殖技術の発展によって遠く離れた海外でも容易に味わえるようになった日本の魚。だけど、こう思ったことありませんか?「いったい、天然魚と養殖魚ってどっちの方が美味しいのだろう?」今回はそんな疑問に応えてもらうべく、ちょうどポルトガルから天然カンパチが入ったタイミングで突撃訪問!和食料理人として長い経験を持つ太郎さん直々の握り寿司とともに天然モノを堪能するという贅沢な取材をリポートします。
日本の魚も美味しいが、世界各地で獲れる天然モノ
そして旬の旨さを追い求める
Taro’s Fishといえばすっかりおなじみのポルトガルの鮮魚。今回の主役は天然のカンパチだ。「これまでも何度か紹介しているポルトガル領の9つの島からなる大西洋に根ざしたアドレス諸島。実際に行ってこの目で見た美しい大自然の中で獲れる豊富なシーフードは世界中の観光客を魅了しているね。
今日は夏が旬とも言われる天然のカンパチ。近年は養殖技術の発展によってトロントのお寿司屋さんでも日本産が味わえるようになったけど、皆さんにぜひ味わってもらいたいのは、やっぱり天然モノ。味も食感も風味も食べ比べてみたら分かるその違いを多くの人に知ってもらいたいね」と太郎さん。
「ブリ御三家」カンパチ
ブリ、ヒラマサとともに「ブリ御三家」とも呼ばれる出世魚のカンパチ。世界中の温帯から熱帯の海域に生息する回遊魚で、その見た目からもブリやハマチと間違えやすいが、カンパチは別の魚で夏から秋にかけてが旬。ちなみに、ブリとハマチは同じ魚で80センチ以上に成長したものがブリと呼ばれ、寒い時期が旬だ。
いざ、天然モノと養殖モノを食べ比べ!
「天然のカンパチと養殖の違いは一口食べてもらえればすぐに分かるはず。僕自身もこれはね、身の締まりと食感、そして何よりも脂身のクセを舌と脳が覚えていて、ビビッと感じるんだよね」と解説してくれる太郎さんの横でさっそくパクリ。養殖は脂たっぷりの食感と特有の香り、身を味わうというより脂が口の中で広がる感じだ。
一方で、桜色が美しい天然ものは脂も程よい感じで、きゅっと締まった身の食感は格別、噛めば噛むのほど口の中で旨みを感じた。これが天然の味か~と感動!淡白ながらも脂のりが抜群、上品な旨み、鮮度の良さを感じるコリコリとした食感は刺身、寿司で味わうには最高としか言いようがない。
世界各地の旬な天然モノ、種類豊富な白身魚が揃う魚屋さん
続けて、和食料理人として経験をもつ太郎さんが直々に握ってくれたのが、綺麗に輝く上品な色合いの白身たち。まずは、ノースカロライナ産のハタ。日本では天然モノは高級魚、ヨーロッパでも高級食材だ。白身の味わいは臭みもなく上品、コリコリとした食感と口に広がる旨みに感動。
続いては、ヨーロッパの定番料理ムニエルでも有名なマトウダイ。太郎さんが白身の中で一番好きだというこの魚、モチモチとした食感とコク、旨みの強さを感じる。クセはなくほのかな甘みがあって素材の味を口いっぱいに感じることができる。
最後に握ってもらったのは赤い見た目と硬い鱗が特徴のエビスダイ。ほんのりと赤みがかった身の味は濃くて甘い風味を感じる。深い旨みはまさに絶品で希少な価値がある。
「日本の魚は美味しいし、うちも取り扱うこともあるけど、世界各地の旬の天然モノは格別に美味しいんだよ。何よりもリーズナブルだしね。地ものにこだわることでこれだけたくさんの種類の白身魚も取り扱うことができる。これがうちのこだわりだよね」と良いものを手頃な価格で提供したいという太郎さんの想いに感服。
ちなみに25年以上ともに魚屋を営んできた奥さまの智亜紀さんは、Taro’s Fishの中で一番好きな魚といえば、この天然ポルトガル産カンパチとのこと。私自身も今回食べさせてもらって天然のカンパチに舌鼓を打った。今が一番美味しい季節!ぜひ多くの人に味わってもらいたいと思うお魚でした。
季節の鮮魚や美味しいお刺身、お寿司、お惣菜が満載
Taro’s Fish
Instagram & Facebook ➡ @tarosfish