安福和弘先生インタビュー|カナダと日本の医療制度の違い
マイケル病院の医師、ボビー・ヤナガワと川口保彦です。今回はトロント総合病院で呼吸器外科のトップを務められている安福和弘先生にお話しをうかがいました。

現在のお仕事に至る経緯を教えていただけますか?
父の仕事の関係で中学生まで主にアメリカで過ごし、高校から日本に帰国、医学部を卒業後トレーニングも日本で終え、オリンパス社との超音波気管支内視鏡の共同開発と並行しアメリカとトロントに2度の留学後、2008年にトロントにスタッフ外科医として赴任しました。現在は自分の専門を活かし、気管支鏡による肺癌診断・治療、ロボット手術を含めた肺がん手術や肺移植など全般的に手掛けつつ、肺がん治療の研究や、最先端技術のトレーニングにも従事しています。診療のみならず研究・教育に携わる北米の外科医は日本より多忙で大変ですが、非常にやりがいがあり充実した外科医生活を送っています。常に肺パフォーマンスを保つため人の3倍努力・仕事をしてきました。現在は部門のチェアマン(まとめ役)ですが、主張するだけではダメで、お互いを尊敬し協調性と議論のバランスを大事にし、チーム全体が育ち次の世代につながるようなマネージメントを心がけています。現在に至るまでは紆余曲折がありましたが、心がけているのは、岐路に立ったとき人に流されるのではなく自分の判断に自分で責任を持って決断するということです。私の幼少期の海外生活の経験も自分の意見をしっかり持ち議論をする点では役立っているのかもしれません。
ご家族について教えていただけますか?
日本では妻も働いていましたが、スタッフ外科医として渡加してからは有難いことにサポート役に回ってくれています。日本より多忙で最初は大変だったと思います。こんなはずじゃなかったとよく言われるのですが(汗)。小学1年生で来た娘も成長し、やりたいことを見つけ現在は大学院で邁進しています。受験勉強中心の日本のシステムでは今の進路に巡り合っていなかったかもしれません。伸び伸びとしたカナダの教育で良かったと思っています。「Show and tell」 から始まるこちらの教育と比べると日本の教育は枠にはまった印象があり、我々の仕事にも通じますが、北米人の方がプレゼンテーション能力が高いような印象はあります。
多忙な外科医生活の中、ご趣味や休日の過ごし方、時間管理はどうされていますか? 趣味は仕事!(笑)というのは冗談ですが、土曜日は日系チームに所属してバスケットボールを楽しんでいます。ですが、やはり多忙ですので、仕事でも睡眠でも密で質が高くなるように工夫しています。
トロント(カナダ)でよかったことは?
日本人としてのアイデンティティーを保ちつつ多様性の中で生活できる環境だと思います。幼少期の海外生活が長かったからか、より日本人を意識しているかもしれません。最初の留学の際に、家族もトロントであればOKと言ってくれたのも渡加の決め手でしたね。

ボビー・ヤナガワ
トロント大学セント・マイケルズ病院心臓外科チーフ・プログラムディレクター。トロント大学医学部卒、トロント大学心臓外科、米国バージニア州イノバ・フェアファックス病院、ニューヨーク州マウントサイナイ病院でのトレーニングを経て現職。







